キャッシュカードをATMに挿入した際に「このカードはご利用できません」などのエラーが出ると、磁気不良を疑う方が多いでしょう。ところが、もう一度別のATMに入れてみると突然使えるようになることも。実は一部の銀行ATMには磁気情報を修復する機能が搭載されています。本記事では、磁気不良カードがATMで修復される仕組みとその背景について解説します。
磁気不良はなぜ起こる?主な原因と症状
キャッシュカードの裏面にある黒い帯には、口座番号や銀行コードなどの情報が磁気テープとして記録されています。この磁気ストライプは、磁気に弱く、次のような原因で不良になることがあります。
- スマートフォンやスピーカーなどの磁石に近づけた
- 財布の中でカード同士が干渉した
- 折れ曲がりや摩耗による劣化
不良が発生するとATMで読み取れなくなり、エラーが表示されてしまいます。
ATMでの「磁気情報の再書き込み」とは?
一部の銀行ATMでは、キャッシュカードの磁気不良に対応するため、磁気情報を再度書き直す「自動補正機能」が搭載されています。ATMに挿入されたカードの磁気ストライプが読みにくいと判断された場合、内部に保持されたバックアップデータに基づいて、同じ内容の磁気データを上書きし、エラーを修復するのです。
これはすべて自動的に行われ、ユーザーが気づかないうちに復旧されているケースもあります。ただし、この機能は全ATMに備わっているわけではありません。
どの銀行やATMが対応しているのか?
磁気補正機能を搭載しているATMは、以下のような金融機関に見られます。
- 三菱UFJ銀行
- みずほ銀行
- ゆうちょ銀行
- 地方銀行(対応ATMは一部)
例えば、ゆうちょ銀行の一部ATMには「キャッシュカードの磁気情報を修復しました」といった表示が出ることもあり、修復後に問題なく利用できるようになります。
修復できない場合はどうする?
ATMで自動修復できない場合は、銀行窓口またはインターネットバンキングからキャッシュカードの再発行を依頼することになります。ほとんどの銀行では無料または数百円程度の手数料で対応してくれます。
再発行には数日かかることが多いため、早めに手続きをするのが安心です。あわせてICチップ付きカードへの切り替えも検討すると、磁気トラブルのリスクが下がります。
ICチップと磁気ストライプの違い
最近では、ICチップ付きのキャッシュカードが主流になっています。ICチップは磁気の影響を受けにくく、高いセキュリティ性能を持つため、ATMでもICチップ側で認証されるケースが増えています。
しかし、すべてのATMがIC対応ではないため、磁気ストライプも併用されており、依然として磁気不良のリスクは残っているのが実情です。
まとめ
ATMでキャッシュカードの磁気不良が直るのは、一部のATMが磁気情報の再書き込み機能を持っているためです。これは利用者にとって非常に便利な機能ですが、すべてのATMで対応しているわけではないため、繰り返しエラーが出る場合は再発行の手続きを行いましょう。ICチップ付きカードを利用することで、磁気不良のトラブルを減らすことも可能です。賢く対策して、快適にキャッシュカードを利用しましょう。
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