一人会社でも必要?健康保険・厚生年金保険新規適用届の提出と注意点

社会保険

会社設立時には多くの手続きが必要になりますが、その中でも忘れてはならないのが社会保険の新規適用届の提出です。特に一人会社の場合、「報酬が未定」「任意継続中」などの理由から手続きを先送りにしがちですが、法律上は設立直後に必要となることがあります。この記事では、一人会社設立時に健康保険・厚生年金保険新規適用届を提出する必要性やその背景、手続きの具体的な流れを解説します。

健康保険・厚生年金保険新規適用届はなぜ必要か

法人を設立した場合、たとえ代表取締役1名のみでも原則として社会保険(健康保険および厚生年金保険)に加入義務があります。

これは「常時使用する従業員が1人以上いる法人は強制適用事業所となる」という社会保険制度の定めによるものです。つまり、報酬が未定であっても、会社を設立し登記した時点で適用届を提出する義務が発生します。

報酬未定でも届出は必要?

はい、報酬の金額が決まっていない場合でも、健康保険・厚生年金保険新規適用届は設立日から5日以内に提出が求められます。

報酬月額の欄は「予定額」で記入することが可能です。設立直後に確定していない場合は、予定額を記載したうえで後日「月額変更届」や「賞与支払届」などにより訂正すれば問題ありません。

「被保険者資格取得届」も忘れずに提出

適用届と同時に、代表取締役本人について「被保険者資格取得届」も提出する必要があります。これは、その人物が社会保険に加入することを示すものです。

特に注意が必要なのは、任意継続被保険者であっても法人の代表となった時点で「任意継続資格は喪失」となることです。二重加入は認められていないため、遡って厚生年金・健康保険の被保険者となる必要があります。

手続きの流れと提出先

以下が基本的な手続きの流れになります。

  • 会社設立登記完了後、5日以内に年金事務所へ「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を提出
  • あわせて「被保険者資格取得届」も提出(代表者分)
  • 報酬が確定していない場合は予定額を記載
  • 後日、実際の報酬額に応じて月額変更届を提出(該当する場合)

提出先は、会社所在地を管轄する日本年金機構の年金事務所です。[参照]

罰則や不利益はある?

社会保険の適用届を怠ると、罰則や追徴課税の対象になる可能性があります。また、適用日からさかのぼって加入とみなされるため、保険料の遡及納付を求められる場合もあります。

結果的に負担が大きくなる前に、早めに適用届を提出しておくことが最善です。

まとめ:一人会社でも社会保険の手続きは必須

一人会社の設立でも、健康保険・厚生年金の新規適用届と被保険者資格取得届の提出は義務です。報酬が未定でも予定額で仮に申請し、後から修正することで対応可能です。特に代表者が任意継続を利用している場合には、速やかに資格変更を行う必要があります。

会社設立時には多くの事務手続きが発生しますが、社会保険関係は後回しにせず、早めに対応しましょう。

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