近年、学生アルバイトを含む多くの人が「社会保険の壁」に関心を寄せています。特に、親の扶養に入っている大学生にとっては、「年収130万円を超えると扶養から外れる」といった情報が気になるところです。2024年からの法改正や制度変更により、一部で「150万円まで大丈夫」という話も出てきていますが、実際にはどのような変化があるのでしょうか。
「扶養の壁」とは何か?社会保険と税制上の違い
まずは「扶養の壁」と呼ばれる制度の違いについて理解しておきましょう。扶養には主に以下の2種類があります。
- 社会保険上の扶養:年収130万円未満(一定条件で106万円)であれば親の健康保険に加入可能。
- 税制上の扶養:年収103万円以下であれば、親が扶養控除を受けられる。
どちらも「扶養」と言われますが、それぞれの壁が違うため混同しやすい点に注意が必要です。
社会保険の壁「130万円」から「150万円」になったのか?
2024年10月から、厚生年金加入者が常時51人以上いる企業で働くパート・アルバイトも、年収106万円以上であれば、社会保険に強制加入となりました。
一方、「130万円の壁」は、自営業者や加入条件を満たさない企業で働く人に依然として適用されます。「150万円までOK」という表現は一部の報道や制度の説明で見られますが、あくまで特定条件下の話であり、一般的なアルバイト大学生には直接当てはまらないことが多いです。
2025年現在の大学生アルバイトへの影響
扶養を外れずに働きたい場合、以下の点を押さえておきましょう。
- 親の健康保険の扶養に入り続けたい場合:年収130万円未満(被扶養者要件)
- 勤め先が社会保険適用事業所(従業員51人以上)の場合:年収106万円以上で加入対象に
- 税制上の扶養を維持したい場合:年収103万円以下
例:大学3年生が週3日、1日5時間、時給1,100円で働いた場合、年間の収入は約85万円となり、扶養内に収まります。ただし、週の労働時間や勤務先の規模によっては、強制加入の条件を満たすこともあるため注意が必要です。
親の扶養から外れた場合のデメリット
扶養から外れると、自身で国民健康保険に加入し、保険料を支払う必要があります。また、年金も国民年金に切り替わり、保険料(月額16,000円程度)も負担となります。
大学生であっても、収入が基準を超えるとこうした支払い義務が生じるため、事前に働き方を調整することが重要です。
扶養を維持するための工夫と確認方法
以下のような対策を講じることで、扶養を維持しながらアルバイトを続けることが可能です。
- 年収管理のために、月の労働時間や勤務日数を計画的に調整する
- 社会保険加入条件を企業側に確認する
- 年間収入をエクセルやアプリでこまめに管理する
不明な点がある場合は、日本年金機構や市区町村の窓口、大学の学生支援課などに相談するのがおすすめです。
まとめ:130万円・106万円の壁を正確に理解しよう
2025年時点でも、大学生が親の扶養内で働き続けるためには「年収130万円未満」が基本の目安です。ただし、勤務先の規模や労働時間次第で「106万円」で社会保険加入が必要になるケースもあります。「150万円までOK」という話は特定の制度や救済策に限られるため、鵜呑みにせず、正確な条件を確認しましょう。
今後の制度変更に備えて、定期的に最新情報をチェックする習慣をつけておくことも重要です。
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