会社の退職や雇用形態の変更などによって、社会保険から国民健康保険(国保)へ切り替える必要がある方は少なくありません。初めて手続きされる方の中には、「費用がかかるのか?」「その場で保険証はもらえるのか?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、社会保険から国保への切り替えに必要な情報を、実例を交えてわかりやすく解説します。
社会保険から国民健康保険への切り替えとは?
社会保険(健康保険)は会社員や公務員が加入する保険制度で、退職したり扶養から外れたりすると自動的に資格を失います。その際、次の保険制度として多くの方が加入するのが、各市区町村が運営する「国民健康保険」です。
国保に切り替えることで、引き続き医療を受けられるようになります。ただし、手続きが必要であり、無保険期間を防ぐためにも速やかに対応しましょう。
切り替え時に手数料や費用は発生する?
原則として、国民健康保険への加入手続きそのものに手数料はかかりません。窓口での登録や保険証の発行も無料です。ただし、保険料の支払いは発生します。
国民健康保険料は前年の所得などに基づいて計算され、市区町村ごとに金額が異なります。会社の健康保険と違い、保険料の全額を自己負担することになるため、金額が高く感じる場合もあります。納付は通常、年に10~12回の分割払いで行います。
市役所で保険証は即日発行されるのか?
国民健康保険証は多くの自治体で即日交付されます。その場で紙製の保険証を手渡されるか、数日後に郵送となる場合もあります。
ただし、以下のような場合には即日交付されないこともあります。
- マイナンバーや本人確認書類に不備がある
- 退職日や資格喪失日が確認できない
- 前住所地からの転出処理が完了していない
あらかじめ必要書類を揃え、不備がないようにすることで即日発行の可能性が高まります。
手続きに必要なもの
市区町村によって若干異なりますが、一般的には以下の書類が必要です。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- マイナンバーがわかるもの
- 社会保険の資格喪失証明書
- 印鑑(必要な自治体のみ)
「資格喪失証明書」は会社が発行してくれます。退職後すぐに発行を依頼しておくとスムーズです。なお、マイナンバーカードを持っていれば、本人確認と番号確認が一枚で完了します。
実例:退職後すぐに手続きを行ったケース
ある30代男性が3月末で会社を退職し、4月1日に市役所で国保への加入手続きを行いました。この方は退職日が記載された「資格喪失証明書」とマイナンバーカードを持参。市役所の窓口で20分ほどで手続きが完了し、その場で紙製の保険証を受け取りました。
一方、同じ時期に別の市で手続きをした40代女性は、「資格喪失証明書」がなかったため即日発行はされず、後日郵送で保険証が届く対応となりました。このように書類の準備状況によって結果が変わる点に注意が必要です。
切り替え時の注意点
社会保険から国保への切り替えには期限があります。原則として資格喪失日(退職日など)から14日以内に手続きを行う必要があります。これを過ぎると、遡って加入はできても手続き遅れによりトラブルの原因になる可能性があります。
また、切り替えのタイミングによっては、医療費の自己負担が一時的に全額になり、後日払い戻しを受けるケースもあります。保険証がない間に病院にかかる場合は、必ず領収書を保管しておきましょう。
まとめ:正しい準備でスムーズな保険切り替えを
社会保険から国民健康保険へ切り替える際には、手数料は不要で、保険証も多くの自治体で即日発行されます。ただし、必要書類が不足していると後日郵送になることもあるため、事前の確認と準備が重要です。退職や扶養から外れたタイミングで速やかに手続きし、無保険期間をつくらないように注意しましょう。
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