夫婦で家計を管理していると、お小遣いの金額をどう設定するかは大きなテーマのひとつです。特に夫が昇給したタイミングで「お小遣いも増やしてほしい」と言われると、どの程度増額するのが妥当なのか迷う方も多いのではないでしょうか。本記事では、世帯収入と生活費のバランスを踏まえながら、お小遣いの増額判断に役立つ考え方を解説します。
お小遣いの金額設定に「正解」はないが指標はある
夫婦で共働き・育児中など状況によって家計の優先順位は大きく異なるため、「お小遣いは手取りの◯%が妥当」というような一律の正解は存在しません。
ただし、一般的な目安としては、手取り月収の10%前後がバランスの良い水準とされています。たとえば手取り27万円であれば2.7万円程度ということになり、3万円という設定は十分に一般的なラインといえます。
昇給額に対してお小遣いをどこまで反映する?
今回のケースでは基本給が2万円上がり、手取りベースでは約1.5万円前後の増収が想定されます。昇給額のすべてをお小遣いに反映させるのではなく、1割〜2割程度(2000〜3000円)を目安にする家庭が多いです。
理由としては、昇給分の多くを将来の生活費増加(子どもの教育費・保険料・住宅費など)に充てる方が安心だからです。
また、あらかじめ「次の昇給が◯万円以上になったらもう少し上げよう」と話し合っておくことで、夫婦間の摩擦を軽減できます。
家庭全体の支出状況と将来の備えも忘れずに
夫婦の一方が育休中だったり、子どもがまだ小さく医療費や保育費などがかかる時期には、昇給分をそのままお小遣いに回す余裕がない家庭も多いでしょう。
実際、育休中の収入減少を補うために手当や貯金を切り崩している場合、たとえ夫の収入が一時的に上がったとしても、その分は家計の安定化に使うという判断は合理的です。
また、車の維持費や固定資産税などの突発的支出にも備える必要があるため、「余裕ができたからお小遣い増額」という判断は慎重に行いたいところです。
お小遣い以上に重視すべきは夫婦間の納得感
お小遣いの金額は、金額の多寡だけでなく、夫婦双方が納得しているかどうかが重要なポイントです。
今回のように、夫が普段は外出も少なく、生活費の大部分が家計から出ている場合、3万円という金額で十分という意見もあれば、「昇給したのに変わらないのはモチベーションが下がる」という意見もあるでしょう。
おすすめは、「お小遣いの金額は年1回見直し」などルールを作り、感情論にならずに話し合える仕組みを整えることです。
実例:昇給時のお小遣いアップに関する家庭の声
・昇給2万円で1000円だけお小遣い増額したというAさん:「教育費がこれからかかるので家計優先。本人も納得」
・Bさんは基本給5万円アップで3000円お小遣い増やした:「半分は積立に回して将来の旅行費に」
・Cさんはお小遣い据え置き:「その代わりにおこづかいとは別枠で散髪代や趣味用の予算を少し設けて柔軟に対応」
このように家庭ごとに対応は異なりますが、共通しているのは夫婦間での話し合いを重視している点です。
まとめ:昇給=即お小遣い増額ではなく、全体バランスで判断を
夫の基本給が上がったからといって、必ずしもお小遣いを比例して増やす必要はありません。大切なのは、家計の状況・将来の支出・育児や家庭の負担などを総合的に見て、夫婦で納得できる形を築くことです。
昇給が大きいときや生活が安定したときに段階的に増やす、という方針も有効です。「感謝の気持ち」として数百円〜1000円程度の増額だけでも十分嬉しいと感じる方もいます。
金額以上に「考えてくれている」という気持ちが伝わることが、夫婦の信頼を深める鍵になるのではないでしょうか。
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