ボーナスにかかる厚生年金は将来の年金額に影響する?国民年金との関係もわかりやすく解説

年金

厚生年金に加入している会社員や公務員の方は、毎月の給与だけでなくボーナスにも厚生年金保険料がかかります。本記事では、「ボーナスにかかる厚生年金が将来の年金額にどう影響するのか」「国民年金との関係はどうなっているのか」をわかりやすく解説します。

厚生年金と国民年金の関係

厚生年金に加入している方は、実は国民年金にも同時に加入している扱いとなっています。具体的には、厚生年金保険料の中に国民年金(基礎年金)分の保険料が含まれており、支給時には「国民年金(老齢基礎年金)」と「厚生年金(老齢厚生年金)」の両方を受け取ることができます。

したがって、厚生年金を納めていれば、別途国民年金の支払いをする必要はありません。将来の年金額は、この二重構造に基づいて決まるため、厚生年金の納付期間と金額が非常に重要になります。

ボーナスにも厚生年金保険料はかかる

平成15年以降、賞与(ボーナス)にも厚生年金保険料が課される仕組みになりました。これにより、年に2回の賞与がある方は、そのたびに厚生年金保険料を支払っており、将来の年金額の算出においてもこの分が反映されます。

たとえば、6月に30万円のボーナスを受け取った場合、それに対する厚生年金保険料(約18%)が給与天引きされ、年金記録に「賞与として支払われた報酬」として反映されます。これが老齢厚生年金額の計算対象となります。

報酬比例部分の年金額はボーナスによっても増える

老齢厚生年金の計算は「平均標準報酬額」と「加入期間」に基づいて行われます。ボーナスは「標準賞与額」として加算され、次のような式に含まれます。

年金額 = 平均標準報酬月額 × 5.481/1000 × 加入月数

この「平均標準報酬月額」には、月給だけでなく賞与も含まれるため、賞与が多い方は将来の年金額が増える仕組みです。

例えば、月収25万円、賞与60万円(年2回)を10年間受け取った場合、単に月収だけで比較したケースよりも年金額は確実に高くなります。

老齢基礎年金にはボーナスの影響はない

注意点として、国民年金(老齢基礎年金)の支給額にはボーナスは影響しません。老齢基礎年金は、あくまで「納付期間の長さ」によって金額が決まるため、標準報酬や賞与の金額は関係ありません。

つまり、賞与に対して支払った厚生年金保険料のうち、老齢厚生年金部分には反映されますが、老齢基礎年金部分には影響しないという点を理解しておくことが重要です。

厚生年金加入者は年金額をどう増やせるか

将来の年金額を増やしたいと考えるなら、以下の点がポイントです。

  • 加入期間を延ばす:定年後も働いて厚生年金に加入し続ける。
  • 標準報酬月額を上げる:基本給や賞与の額が増えると年金額も上がる。
  • 副業収入で厚生年金対象になる:一定の条件で副業先でも厚生年金加入対象になる場合がある。

また、老後に備えてiDeCoや企業型DCなどの自助努力による年金制度も併用することで、より安定した老後資金を準備できます。

まとめ:ボーナスは厚生年金額に貢献するが、国民年金には影響しない

賞与にかかる厚生年金保険料は、将来の厚生年金(老齢厚生年金)の金額にしっかり反映されます。ただし、国民年金(老齢基礎年金)は定額であり、ボーナスの有無にかかわらず納付期間によって支給額が決まります。将来の年金額を把握するには、定期的に「ねんきんネット」で確認し、必要に応じて個人型年金制度なども活用していきましょう。

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