転職後に社会保険に加入したはずなのに、市区町村から国民健康保険税の通知が届いて戸惑った経験はありませんか?実はこれは、会社の健康保険に切り替えたあとに「ある手続き」が完了していないことが原因であるケースが多いのです。この記事ではその仕組みと正しい対処法についてわかりやすく解説します。
国民健康保険と会社の健康保険の違い
日本には大きく分けて「国民健康保険(市区町村が運営)」と「社会保険(健康保険組合や協会けんぽが運営)」があります。自営業者や無職の人は国民健康保険に加入しますが、会社員になれば会社の健康保険(社会保険)に加入するのが原則です。
つまり、転職して会社に雇用されるようになると、原則的には会社の健康保険に加入し、国民健康保険を脱退する必要があります。
通知が届く理由:脱退手続きがされていない
今回のように「会社の健康保険料を天引きされている」にもかかわらず、国民健康保険税の通知が届いたという場合、「国民健康保険の脱退手続きが自治体に対してなされていない」ことが原因です。
この手続きは本人が自治体の窓口で行う必要があり、会社が代行するものではありません。たとえ社会保険に加入済でも、自動的に国保が終了するわけではない点に注意が必要です。
必要な脱退手続きと持ち物
脱退手続きは基本的にお住まいの市区町村役所で行います。持参すべきものは次の通りです。
- 新しい健康保険証(会社の社会保険証)
- マイナンバーカードまたは本人確認書類
- 国民健康保険証(黄色の保険証)
これらを持参して「就職して社会保険に加入したので国保をやめたい」と伝えると、国保の脱退処理をしてもらえます。
支払い通知が届いてしまった場合の対処法
すでに国民健康保険税の通知書が届いてしまった場合でも、慌てずに対応すれば問題ありません。自治体によっては、脱退が遅れていても「就職日まで遡って脱退扱い」としてくれることがあります。
以下の流れで行動しましょう。
- すぐに市区町村役所に連絡し、国保の脱退手続きを行う
- 通知書の内容(支払い義務)が発生している期間と重複していないか確認
- 重複している場合は、保険料の修正や免除の申請を行う
場合によっては、すでに支払ってしまった国民健康保険料が返還されるケースもあります。
二重加入にならないよう注意
健康保険の制度は原則「いずれか1つ」にしか加入できません。つまり、国保と社保を同時に保有することは本来できないのですが、手続きが漏れると「書類上だけ二重加入」と見なされ、保険料が二重で請求されることがあります。
このような事態を避けるためにも、就職・転職のタイミングでは必ず国保の脱退手続きを行いましょう。
まとめ:通知が届いたら速やかに役所へ連絡を
会社で健康保険に加入した後に国民健康保険税の通知が届いた場合、それは脱退手続きが済んでいない可能性が高いです。今すぐ市区町村役所に連絡し、保険証やマイナンバーを持って脱退手続きを行うことで、二重払いのリスクを回避できます。
もし支払通知書が届いた時点で不安があれば、支払い前に役所に相談することを強くおすすめします。正しい情報と手続きで、無駄な出費を防ぎましょう。
コメント