国民年金の未納期間と追納の仕組み|定年後に備えるために知っておきたい基礎知識

税金、年金

年金制度に関する疑問の中でも、「過去に納めなかった国民年金の扱い」や「追納できる期間」については、定年を見据える年代の方にとって重要なテーマです。今回は、20歳からの3年間を未納のまま厚生年金に加入されたケースをもとに、未納期間の影響や追納の可否について詳しく解説します。

国民年金の加入と未納期間の意味

日本の公的年金制度は「国民皆年金」が基本で、20歳以上60歳未満のすべての人が何らかの形で年金制度に加入することになっています。自営業者や無職の方は国民年金に、自営業以外の会社員は厚生年金に加入します。

質問のように、20歳から23歳までの間に無職やフリーターなどで国民年金を未納だった場合、その3年間は老齢基礎年金の受給資格期間や受給額に影響を及ぼします。

未納期間は追納できるのか?

原則として、国民年金の保険料は過去2年以内であれば追納が可能です。ただし、「学生納付特例制度」や「免除申請」をしていた場合には、10年以内なら追納が可能です。

したがって、単なる未納(届出をしていなかった)であれば、すでに3年以上が経過しているため、追納は不可となります。学生納付特例などの制度を利用していたかどうかがポイントです。

60歳以降の厚生年金加入と追納の関係

厚生年金は原則70歳まで加入可能ですが、国民年金は60歳までの制度です。60歳以降に厚生年金に加入しても、国民年金の追納は基本的にできません

ただし、60歳以降に「任意加入」という制度を利用すれば、60歳から65歳の間に国民年金保険料を納めることができ、老齢基礎年金の受給額を増やすことが可能です。ただし任意加入には条件があり、過去の未納分を補うというよりも、期間を480月に近づける目的で加入します。

年金受給資格と480ヶ月の壁

老齢基礎年金を満額受給するには、原則480ヶ月(40年)の納付期間が必要です。未納期間がある場合、その分だけ減額されるか、受給資格に届かなくなる可能性があります。

たとえば23歳から65歳までずっと厚生年金に加入していた場合、その期間だけで約42年間=504ヶ月です。つまり、仮に20歳〜23歳の3年間が未納であっても、その後に厚生年金にしっかり加入していれば、結果的に満額受給となるケースもあります。

他人の事例と自分のケースの違いに注意

よく聞く「友人の旦那さんが追納して満額になった」という話は、学生納付特例の期間を10年以内に追納したケースが多く見られます。自分の状況と照らし合わせて、同じように追納できるとは限りません。

実際には、年金事務所で納付記録の確認を行い、自分の納付期間や追納の可能性を把握するのが確実です。

まとめ:未納期間があっても慌てず確認を

過去に未納期間があっても、厚生年金加入期間が長ければ、年金受給に大きな支障はない場合もあります。ただし、満額を受け取るには納付期間が鍵となります。任意加入や追納の対象になるかどうかは、個別の状況で異なりますので、早めに年金事務所で相談することをおすすめします。

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