親の扶養に入っている学生や若年層が直面しがちな「給与証明書提出」の問題。中には「無職として提出して」と言われて戸惑うケースもあるようです。本記事では、扶養関係とアルバイトの収入報告の関係、所得税がかからない収入と事実確認の重要性、そして安心して対応するための方法を解説します。
扶養に関係する収入の基準とは
親の扶養に入っている場合、税法上の扶養控除や社会保険の扶養認定に関わる収入基準があります。税法上では年間103万円以下、社会保険上では年収130万円未満(※収入が親の半分未満などの条件あり)であれば扶養に入れます。
月収が8万円であれば年間96万円となり、基本的には税・社保どちらの扶養範囲内で問題ないことが多いです。ただし、月々の変動や複数のバイト収入がある場合は合計で確認を。
給与証明提出に「無職で」と言う店の意図
給与証明を出すと、「この人を雇っている」と店側が税務署や労基に気づかれるのを避けたいという背景があります。特に所得税を源泉徴収していないなど法的手続きを取っていないケースでは、店側が「無職で」と言いたがるのです。
しかしこれは、法令上は不適切です。労働者が扶養の確認のために収入証明を提出するのは当然の権利であり、それによって不利益(解雇など)を受けるのは不当な扱いと考えられます。
給与証明を提出したらクビになる?
実務的に、証明を提出しただけで即クビになるのは避けるべき不当解雇に近い行為です。ですが、就業規則が曖昧な小規模な店舗や水商売業界などでは、労働者保護の感覚が乏しい場合もあり、トラブルに発展する可能性も。
そのため、証明書の提出は原則本人が責任を持って行い、店に事前相談しすぎないのが賢明です。「親から提出が必要と言われているので」と伝える程度にとどめるのが無難です。
給与が月8万円でも所得税がかからない理由
日本では年収103万円以下であれば所得税の課税対象にはなりません(基礎控除48万円+給与所得控除55万円)。そのため、月額換算で約8万6千円以下であれば所得税は引かれません。
つまり「税金が引かれていない=違法」ではなく、「課税対象でない=非課税」である場合もあるため、源泉徴収票が発行されていなくても違法とは限りません。
安心して証明書を提出するための方法
- 1. 店からの明細または通帳記録で証明する
明細書がない場合は通帳振込履歴で収入の証明が可能です。 - 2. 店名を明記せず、職種や業務内容のみ記載
どうしても気になる場合は、職種名(例:飲食業、接客業など)で濁す方法もあります。 - 3. 証明書が必要な理由を正直に伝える
親の扶養関係上必要である旨を正直に説明し、店名や金額が記載されることは店に報告しない旨を伝えて安心させましょう。
まとめ
給与明細や収入証明の提出は扶養関係において必要な手続きであり、違法ではありません。月8万円の収入であれば所得税も発生せず、税務上の問題も少ないでしょう。職場の理解が得られない場合でも、個人の手続きとして正当性があるため、安心して提出して問題ありません。
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