賞与の所得税が大幅に変わる理由とは?同じ支給額でも税額が違う仕組みを徹底解説

税金

「ボーナスの額は変わらないのに、所得税が3倍も多く引かれていた…」と驚く方は少なくありません。実は賞与にかかる所得税は、支給額そのものだけではなく、その時期の給与や税率など、複数の要素で変動します。この記事では、賞与にかかる所得税の仕組みと、税額が大きく変わる原因についてわかりやすく解説します。

賞与の所得税はどうやって決まる?

賞与に対する所得税は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出方法」に基づいて計算されます。通常の月給と異なり、社会保険料控除後の金額に応じて、過去の月給から決定される税率がかかるのが特徴です。

具体的には、賞与支給月の前月(もしくは直近)の「社会保険料控除後の給与」から源泉税率を決定し、それを賞与額に乗じて所得税を算出します。

賞与額が同じでも税額が変わる要因

賞与の金額自体があまり変わっていないにもかかわらず、所得税が大きく異なるのは以下の理由が考えられます。

  • 月額給与の変動
    直前の月給が高くなると適用される源泉税率も上がります。
  • 扶養控除の変更
    扶養親族の有無や人数の変更により、適用税率が上下します。
  • 年末調整や確定申告の影響
    前年末調整時に調整されなかった分を織り込んでいる場合があります。
  • 源泉徴収税率表の更新
    法改正などにより税率そのものが変更されている場合もあります。

例として、前年は給与が月22万円で扶養1人だった方が、今年は月給が28万円で扶養なしに変わると、源泉税率が8.78%から12.24%に跳ね上がることもあります。このように、わずかな条件変更でも税額は大きく動くのです。

具体例:税率の違いで変わる賞与の所得税

仮に賞与が30万円だった場合、次のように税額が変動します。

前月給与 扶養人数 税率 所得税額
25万円 1人 8.78% 26,340円
30万円 0人 12.24% 36,720円
35万円 0人 16.30% 48,900円

このように、給与や扶養条件の変化があると、同じ30万円の賞与でも1万円以上の差が生まれることがあります。

変動が大きいときに確認すべきこと

賞与からの所得税が想定以上に引かれていると感じた場合、まずは以下の点を確認してみましょう。

  • 源泉徴収票・給与明細:税率や支給額の確認が可能です。
  • 会社の給与担当者:税率の算出根拠を説明してもらえます。
  • 扶養控除申告書の更新:変更が反映されていないケースもあります。

また、年末調整や確定申告で最終的な税額が調整される場合があるため、払いすぎた分は還付される可能性もあります。

まとめ:賞与の所得税が高くなるのは珍しくない

賞与の所得税が前年に比べて高くなるのは、給与額や扶養状況、源泉税率の変更など複数の要因が重なるためであり、必ずしも誤りとは限りません。

不明点がある場合は、会社の担当者や税理士に相談することで、自身の状況に即したアドバイスを受けられます。所得税の仕組みを理解し、安心して賞与を受け取れるようにしておきましょう。

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