63歳から年金を繰り上げ受給した場合の社会保険料や受給開始時期は?働きながら年金をもらう時の注意点

社会保険

年金の繰り上げ受給を検討する方が増える中、会社勤務を継続しながら受給を始めた場合の社会保険料や健康保険料への影響、そして申請時期に応じた年金の支給開始タイミングについては多くの方が疑問を持つポイントです。本記事では63歳で繰り上げ受給を選択し、就労を続ける場合に知っておくべき制度の詳細を解説します。

年金の繰り上げ受給とは?

公的年金は原則として65歳から支給開始されますが、60歳以降であれば「繰り上げ受給」として前倒しで受け取ることが可能です。繰り上げた月数に応じて、受給額は最大30%程度減額されます。

例えば:63歳で繰り上げ受給を選択した場合、繰り上げ月数が24カ月となり、1カ月あたり0.4%減額×24カ月=9.6%の減額となります。

繰り上げ受給と会社勤務の併用は可能?

繰り上げ受給と就労は基本的に併用可能です。63歳で年金を受け取りながら働くことに法的な制限はありません。ただし「在職老齢年金制度」の対象になるのは65歳未満の厚生年金受給者で、報酬が一定以上ある場合には、年金が減額または支給停止される可能性があります。

2022年の改正により、60~64歳の在職老齢年金の支給停止基準額は「月収28万円」に引き上げられています。月収と年金額の合算がこの基準を超えると、年金が一部停止されることがあります。

健康保険・厚生年金の社会保険料の扱い

会社勤務を続けている限り、年齢にかかわらず健康保険と厚生年金の社会保険料の支払い義務は継続します。繰り上げ受給によって社会保険料が免除されたり減額されたりすることはありません。

つまり、給与からは今まで通り保険料が天引きされます。ただし、65歳以降は介護保険料などの仕組みに一部変更がありますが、63歳の段階では影響はありません。

年金受給の開始はいつ?申請タイミングの注意点

年金の受給は「申請月の翌月分から開始」となります。つまり、7月下旬に繰り上げ受給を申請した場合、8月分の年金から支給開始となり、最初の受給は9月中旬ごろです。

年金は偶数月の15日に、前月と前々月分がまとめて支払われます。7月下旬の申請だと、最初の受給は9月15日に8月分のみが支給され、以降は2カ月ごとの支給になります。

繰り上げ受給のメリット・デメリット

メリット デメリット
早く年金が受け取れる 生涯にわたって受給額が減額される
老後の資金計画を前倒しできる 65歳未満で働くと在職老齢年金の影響あり

特に自営業やパート勤務など収入が限られている方は、繰り上げによって資金の余裕を持たせられる一方で、長生きした場合のトータル受給額は減少することを理解しておく必要があります。

まとめ:63歳で働きながら年金を受け取るなら事前準備を

63歳で年金の繰り上げ受給を申請する場合、社会保険料は引き続き給与から控除され、就労と併用も可能です。ただし、年金額は減額され、一定収入を超えると支給停止の対象になることがあります。

申請はタイミングによって支給月がズレるため、受給開始を想定して早めに準備を進めることが大切です。迷った場合は、日本年金機構のサイトや最寄りの年金事務所での相談をおすすめします。

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