精神障害の等級が2級に認定された場合、障害年金の受給対象となり、毎月の生活費を一定程度支える制度があります。ただし、金額は加入している年金制度（国民年金または厚生年金）や家族構成によって異なります。この記事では、精神障害2級での障害年金の受給額の目安や支給の仕組み、実際の事例などを紹介しながら解説します。
障害年金の種類と支給条件の違い
障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。国民年金にのみ加入していた人は障害基礎年金、厚生年金に加入していた人は障害厚生年金の対象になります。
精神障害で2級に該当した場合、どちらの制度に加入していたかによって受給できる金額が大きく異なるため、まずは自分の年金加入状況を確認しましょう。
障害基礎年金（国民年金）の場合の受給額
2024年度時点で、精神障害2級の障害基礎年金の年額は約81万9,300円です（月額に換算するとおよそ約6万8,000円）。
さらに、子どもがいる場合には「子の加算」があります。たとえば、18歳未満の子が1人いれば、年額で22万4,700円（1人目）加算されるため、家族構成によって受給額は増加します。
障害厚生年金（会社員など）の場合の受給額
障害厚生年金の2級に該当した場合は、上記の障害基礎年金に加えて、厚生年金からの上乗せ支給が受けられます。金額は過去の収入や保険料納付額により異なりますが、平均的には年間30万円〜60万円程度の上乗せになるケースが多いです。
例えば、障害基礎年金81.9万円＋厚生年金部分40万円＝合計年額121.9万円（月額約10.1万円）という支給例もあります。
実例：精神障害2級での支給事例
以下は実際に精神障害2級と認定された方の受給事例です。
- ケースA（20代女性・うつ病）：障害基礎年金のみ支給。月額68,000円。
- ケースB（30代男性・統合失調症・正社員経験あり）：障害基礎年金＋厚生年金部分合わせて月額103,000円。
- ケースC（40代女性・双極性障害・子ども2人あり）：障害基礎年金＋子の加算あり。月額93,000円。
実際の金額は、年金加入期間・収入・家族構成・発症時期などに左右されるため、正確な金額は年金事務所に確認するのが安心です。
支給までの手続きと注意点
障害年金を申請するには、医師による診断書とともに、病歴・就労状況申立書などを提出する必要があります。審査には数ヶ月かかることもあり、書類の不備や記載ミスで支給が遅れるケースも少なくありません。
申請が不安な場合は、社会保険労務士などの専門家に相談するのも有効です。初回申請時のサポートを受けることで、認定の可能性が高まることもあります。
まとめ：精神障害2級の年金は生活支援の重要な制度
精神障害で2級の認定を受けた場合、国民年金のみ加入でも月額約68,000円、厚生年金加入者であれば10万円以上の受給も期待できます。
生活の安定を図るためにも、自分の加入状況や過去の収入を確認し、早めに手続きを進めることが大切です。不安な場合は年金事務所や社労士に相談しながら、正確かつ迅速に対応しましょう。
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