アルバイトやパート勤務でも、場合によっては厚生年金への加入が求められることがあります。しかし、すべてのアルバイトが対象となるわけではなく、条件が定められています。今回は、勤務時間や収入、学生であるかどうかなどをもとに、厚生年金の加入要件についてわかりやすく解説します。
厚生年金の加入対象になる5つの条件
厚生年金に加入するための基準には、大きく分けて2つの枠組みがあります。まず正社員などの「一般被保険者」と、週20時間以上勤務のアルバイトやパートに適用される「短時間労働者向け」の枠があります。
特に短時間労働者の場合、以下の5つの条件をすべて満たすと厚生年金に加入する必要があります。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上(2025年現在)
- 勤務期間が2ヶ月を超える見込み
- 学生ではない
- 勤務先が従業員101人以上の企業(2024年10月からは51人以上に変更)
「週20時間未満」なら加入は不要?
ご質問の通り、仮に月収が10万円あったとしても、「週の所定労働時間が20時間未満」であれば、上記の1つ目の条件を満たしていないため、厚生年金の加入対象にはなりません。
たとえば、以下のようなケースが該当します。
- 週3日・1日6時間勤務(週18時間)
- 時給1400円で月収10万円超だが勤務時間が短い
この場合、国民年金のままで問題ありません。
「月収8.8万円以上」とは何を含むのか?
この金額は「所定内賃金」であり、基本的には時間給や日給、各種手当(通勤手当・残業手当を除く)を含みます。賞与や臨時手当は含まれません。
たとえば、週25時間働いて時給1000円なら、月100,000円(1000円×25時間×4週)なので、この条件も満たすことになります。
学生であれば加入義務は免除される
例外として、「学生であるかどうか」も重要です。たとえ条件を満たしていても、在学中であれば厚生年金への加入義務は原則としてありません。
ただし、夜間学生や通信制など、学生であっても「学生扱いとされない」場合は加入対象になることがあります。
自分が対象か確認するにはどうすればいい?
勤務先の人事・労務担当に確認するのが一番確実です。また、日本年金機構の公式サイトにも、年金制度の加入要件が詳しく記載されています。
自身の勤務条件が以下に該当するかチェックしてみてください。
- 勤務先の企業規模
- 週の労働時間
- 月の収入
- 学生かどうか
- 契約期間
まとめ:1つでも条件を満たしていなければ厚生年金には加入しない
厚生年金の短時間労働者向け加入基準は、すべての条件を満たすことが前提です。ご質問のケースのように、「週20時間未満で月収が10万円以上」という状態であれば、加入義務は発生しません。
国民年金のままで問題ありませんが、今後勤務時間が増える予定がある場合は、企業側に加入有無を事前に確認しておくと安心です。
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