自分の年収が「平均的」なのか、それとも「少し余裕がある暮らし」ができる水準なのかを知ることは、将来設計やライフスタイルを考える上で重要な指標となります。この記事では、20代から50代の年代別の平均年収や、結婚・家庭生活を前提とした場合の生活可能性、そして年収だけでは測れない生活の質についても解説します。
日本の年代別平均年収の目安
国税庁「民間給与実態統計調査」などの公的データをもとにすると、年代別の平均年収は以下のようになります(2023年度データ参照)。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20代 | 約300〜370万円 |
30代 | 約420〜480万円 |
40代 | 約500〜600万円 |
50代 | 約600〜700万円 |
したがって、年収500万円以上あれば、30〜40代では「平均よりやや上」と判断されるラインです。
少し余裕がある暮らしに必要な年収
東京都などの都市部で「ほんの少しだけ余裕のある生活」を想定すると、独身であれば年収400万円以上、既婚・子ありであれば世帯年収700万円〜800万円以上が一つの目安になります。
例えば、年収500万円の手取りはおおよそ360万円前後。月に使える生活費は約30万円。家賃・食費・通信費・保険・貯金を含めて工夫すればやっていける水準ですが、大きな余裕は生まれにくいのが現実です。
共働き家庭の場合のシミュレーション
もし妻(または夫)が自分の年収の70〜100%程度稼いでいる場合、世帯年収は約850万円〜1,000万円となります。これにより手取りベースで年間650万〜750万円ほどが見込め、以下のような暮らしが現実的になります。
- 月に1〜2回の外食や娯楽
- 子どもの習い事や学資保険への加入
- 毎月3〜5万円の貯金・資産形成
- 住宅ローンや家賃の負担も軽減されるレベル
共働きの安定感は、生活設計の選択肢を大きく広げてくれます。
年収だけでは測れない「余裕」:手取りと支出構造
「年収=生活の豊かさ」ではない点にも注意が必要です。年収500万円でも、住民税・社会保険料・所得税などを差し引いた手取りは約360万円。さらに家賃・ローン・子どもの教育費が大きくかかる家庭では、可処分所得は限られます。
逆に、会社から住宅補助が月に5万円出る人と、そうでない人では年間60万円もの差が生まれます。同じ年収でも「どんな福利厚生や控除が受けられるか」によって、実際の生活余裕度は変わるのです。
実例:30代共働き夫婦の生活モデル
夫:年収500万円、妻:年収400万円、都内在住。二人の手取り合計は約650万円。
- 家賃:13万円(住宅手当2万円あり)
- 食費・日用品:7万円
- 貯金・投資:毎月6万円
- 趣味・外食・交際費:5万円
この家庭では「無理なく」「時々贅沢」な生活を維持できていますが、子どもが生まれると一時的に妻の収入が減るリスクもあるため、貯蓄や保険設計が重要になります。
まとめ:年収だけでなく手取り・支出・将来設計で判断を
「少し余裕のある普通の暮らし」ができるかは、年収だけでなく手取り・支出の内訳・福利厚生・家庭構成によって大きく変わります。年収500万円は30〜40代の平均水準ですが、それ以上の安心を求めるなら共働きや資産形成の工夫が必要です。
まずは今の支出を見直し、「理想の生活」を実現するための収入目標を逆算することが、豊かさへの第一歩です。
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