最近では、クレジットカードやスマホ決済、BNPL(後払い)サービスの普及によって、現金を使わずに商品を手に入れることが当たり前になりました。そんな中で「借金に抵抗がなくなった」「欲しいものは借金してでも買ってしまう」と感じたとき、それは単なるライフスタイルの変化なのか、それとも金銭感覚が麻痺している兆候なのでしょうか?この記事では、お金との付き合い方を見直すヒントをお届けします。
借金への抵抗がなくなる心理的背景
借金への抵抗が薄れる理由の一つは、キャッシュレス社会の影響です。物理的なお金が動かないため、実感が湧きにくく、「お金を払っている」という意識が低下します。
また、「分割払いやリボ払いは借金ではない」という誤解も、消費者心理をゆがめる原因です。分割払いもれっきとした借金であり、金利がかかる以上、将来の支出を先取りしているに過ぎません。
金銭感覚が麻痺しているサインとは?
以下のような傾向が見られる場合、金銭感覚が麻痺している可能性があります。
- 返済額や金利を気にせずに借りてしまう
- 「今さえ楽しければいい」と考えて将来の支払いを軽視する
- 生活費や税金を借金で補っている
- 返済してもすぐにまた借りてしまう
こうした行動が続けば、経済的な自立が難しくなり、将来的に深刻な債務問題に直面するリスクが高まります。
健全な借金と危険な借金の違い
すべての借金が悪いわけではありません。以下のような「健全な借金」は、将来の自己投資にもつながります。
- 教育ローン:大学進学や資格取得など、将来の収入増につながる支出
- 住宅ローン:資産価値が担保され、長期的な生活の安定に寄与
- 事業投資:しっかりとした計画のある事業資金
一方で、「娯楽・消費目的での高額リボ払い」「返済計画のない借入」は危険な借金に分類され、金銭感覚の麻痺につながる典型です。
実例:借金依存がもたらす落とし穴
例えば、30代会社員のAさんは、毎月の収入が25万円にも関わらず、ショッピングリボを使い続け、気づけば借入残高が150万円を超えていました。支払いは最低額に抑えていたため、「問題ない」と思っていたものの、実際にはほとんど利息だけを払い続けていたのです。
このように、「支払いができているから大丈夫」という油断が、借金の積み上がりを見えにくくし、金銭感覚をさらに鈍らせていきます。
金銭感覚を取り戻すための習慣
借金への依存を減らし、金銭感覚を正常に保つには、以下のような習慣が有効です。
- 現金で支払う意識を持つ:クレジットカードや電子決済でも、使用後に即座に明細を確認する習慣をつけましょう。
- 月の予算を決めて生活する:欲しい物があっても「翌月の予算に組み込む」という感覚を持つ。
- 支出日記をつける:日々の支出を記録するだけで、お金の使い方への意識が変わります。
借金そのものを否定するのではなく、「計画的に利用する」ことが、経済的な安定と金銭感覚の維持に繋がります。
まとめ:欲望に流されず、お金を道具としてコントロールする意識を
欲しいものを借金して手に入れること自体が悪いわけではありません。しかし、その行動が常習化し、返済や金利に無頓着になると、金銭感覚が麻痺しているサインです。お金は感情に左右されやすい存在ですが、あくまで「人生をより豊かにする道具」として、冷静に管理していく意識を持ちましょう。
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