会社を休職する場合、健康保険をどうするかは多くの人が迷うポイントです。特に3ヶ月程度の短期休職では、社会保険にそのまま加入し続けるのか、国民健康保険へ切り替えるのかは、経済的・実務的な観点からも重要な判断になります。本記事では、それぞれのメリット・デメリットを整理しつつ、実際にどちらを選ぶべきか考えるヒントをお伝えします。
休職中の保険選択肢は「継続加入」と「切替」の2つ
休職中に取れる選択肢は大きく2つ。「社会保険に継続加入する」または「会社を退職もしくは資格喪失して国民健康保険へ加入する」方法です。注意点として、休職中であっても会社に在籍している限りは原則、社会保険の資格は継続となります。
ただし、会社によっては一定の期間を超えると資格喪失となるケースもあるため、まずは所属企業の就業規則や担当部署への確認が重要です。
社会保険を継続したまま休職するメリット
1. 傷病手当金の支給対象になる
休職の理由が病気やケガであれば、社会保険の傷病手当金(最長1年6ヶ月、給与の約2/3相当)が受け取れる可能性があります。これは国保にはない大きなメリットです。
2. 家族も被扶養者として保険に入れる
配偶者や子どもがいる場合、被扶養者として保険料負担なくカバーできる点も魅力です。
一方で社会保険のデメリットとは?
1. 保険料が高額になることも
休職中も保険料の支払い義務は発生します。会社が保険料を一部負担してくれない場合、全額自己負担(本人+会社分)となり、月額3〜5万円以上になるケースも。
2. 手続きが複雑なことがある
継続加入や傷病手当金の申請手続きが煩雑で、会社とのやりとりが必要になる場合があります。
国民健康保険に切り替えるメリット・デメリット
1. 保険料が安くなる場合も
前年度の所得に応じて決まるため、休職前の収入が低ければ保険料が比較的安く済む可能性があります。
2. 傷病手当金がない
最大のデメリットはここ。病気やケガによる所得補償制度がないため、無収入期間の生活費に不安が残ります。
3ヶ月休職ならどちらが有利?実例で比較
ケース①:病気での休職(傷病手当金を受給)
→ 社会保険継続の方が圧倒的に有利。手当金を受け取りながら保険も維持できる。
ケース②:自己都合の休職(手当金なし)
→ 国保に切り替えると保険料が安く済む場合も。3ヶ月の短期であれば金額差も小さいので、節約志向なら切替も選択肢。
判断のポイントと注意点
- 在籍中は原則として社会保険継続。ただし、企業の規則によって例外あり。
- 傷病手当金の有無が最大の判断軸。
- 扶養家族がいる場合、社会保険の方がトータルでは有利なことが多い。
- 国保切替後、再就職時の再加入に時間がかかる場合もある。
まとめ:3ヶ月の休職なら「社保継続」が基本だがケースに応じて見極めを
3ヶ月の休職であれば、原則的には社会保険をそのまま継続することが多くのケースで有利です。特に傷病手当金を受けられる状況であれば、社保加入を続ける方が経済的に安心です。
ただし、手当金の支給対象外であり、かつ保険料負担が重い場合には、国保への切替も視野に入れて検討してもよいでしょう。いずれの場合も、事前に会社への確認と、市区町村の国保窓口への相談を行うことで、自身にとって最適な選択が可能になります。
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