転職や再就職の際に「前職でどんな年金制度に加入していたか」「共済組合にいたことが会社に知られるのか」など、年金に関するプライバシーが気になる人は少なくありません。この記事では、厚生年金や共済組合の加入歴が会社にバレるのかどうか、企業側がどこまで知ることができるのかについて解説します。
会社は厚生年金の加入歴を把握できるのか?
基本的に、会社は従業員の過去の厚生年金加入歴を直接調べることはできません。企業が日本年金機構に問い合わせても、他社での加入履歴や共済組合の情報までは原則開示されません。
ただし、再就職時に本人が「年金手帳」や「基礎年金番号通知書」を提出した際、過去の記録を含む年金記録が社会保険事務所で参照される可能性があります。とはいえ、それを会社側が知ることはなく、あくまで事務的な手続きに限定されます。
共済組合の加入歴はバレるのか?
公務員や教職員などが加入している共済組合も、一般企業が直接その加入履歴を把握することはできません。共済と厚生年金は異なる制度で管理されていますが、平成27年の制度改革以降は記録が一元化され、将来的な年金支給時には統合されます。
ただし、転職時に履歴書や職務経歴書で前職が公務員や教職員であったと明かせば、間接的に共済加入が知られる場合もあります。
企業が知りうる年金情報の範囲
企業が確認できるのは、あくまで「自社で手続きする範囲内」での情報です。たとえば、基礎年金番号を元にした加入手続きの際には、年金機構側が適切に管理するために過去の記録と照合しますが、その情報が企業側に開示されることはありません。
したがって、過去にどの企業に勤めていたか、どの制度に加入していたかなどの詳細は、本人が明かさない限り、原則として知られることはありません。
例外的に情報が伝わるケースとは?
まれに、本人が提出した源泉徴収票や年金記録照会の内容により、会社側が過去の加入制度に気づくケースがあります。たとえば、退職前の共済年金の納付額が記載されていたり、本人が「公務員時代」と書類に記入した場合などです。
また、転職エージェントや採用面接で過去の職歴を正直に話した場合も、加入制度が分かる要因となりますが、それは年金記録とは別の話です。
実例:公務員から民間に転職したケース
実際に、公立中学校教員から一般企業へ転職したAさんは、共済年金から厚生年金への切り替えが発生しましたが、新しい勤務先では共済の情報は何も尋ねられず、提出した書類に基礎年金番号さえあれば手続きはスムーズに進んだと話します。
このように、共済歴や厚生年金加入歴が企業側に明かされることは原則ありません。
まとめ:年金加入歴のプライバシーは保たれる
厚生年金や共済組合の加入歴は、本人が開示しない限り、企業にバレることは基本的にありません。年金記録はあくまで公的機関で厳密に管理されており、会社が勝手に参照することはできません。プライバシーは法的に守られているため、安心して就職・転職活動を進めることができます。
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