マイナンバーカードを健康保険証として利用する「マイナ保険証」の運用が本格化する中で、紙の保険証が発行されないケースも増えてきました。特に個人事業主の方は、QRコードを使った登録だけで本当に受診可能なのか不安を感じる場面もあるでしょう。この記事では、マイナ保険証の登録・利用の実態と、よくある誤解について詳しく解説します。
マイナ保険証とは?基本の仕組み
マイナ保険証とは、マイナンバーカードに健康保険証の機能を紐付けて、医療機関で本人確認や保険資格の確認を行う制度です。健康保険証の代替として使えるため、紙の保険証が手元になくても受診が可能になります。
2024年度以降、多くの医療機関でマイナ保険証の利用が推奨されており、将来的には紙の保険証が廃止される方向です。そのため、制度への理解と正しい利用が必要不可欠です。
QRコードからの登録=受診できる状態ではない?
市区町村や協会けんぽ、国民健康保険などから送付されるQRコードは、「マイナポータル」などを通じてマイナ保険証の利用登録を行うための入り口です。しかし、このQRコードの読み取りと登録が完了しても、保険の加入が成立していない場合は医療機関で利用できません。
つまり、「マイナンバーカードをマイナ保険証として登録した」だけでは、保険資格情報が正しく連携されていない限り、受診時に「資格確認ができません」と表示されることがあります。
個人事業主の場合の保険資格の確認手順
個人事業主が加入する保険は一般的に「国民健康保険(国保)」です。マイナ保険証を有効にするためには、まず市区町村役場で国保の加入手続きを済ませた上で、保険情報とマイナンバーカードの連携を行う必要があります。
登録の流れとしては以下の通りです。
- 市区町村で国保に加入し、保険資格情報が登録される
- マイナポータルやコンビニ端末などでマイナ保険証の利用登録を行う
- 登録が完了すれば、医療機関でカードをかざして受診が可能になる
この中のいずれかが未完了だと、実際には使用できないことがあります。
医療機関でのマイナ保険証の利用時の注意点
マイナ保険証を使って医療機関を受診する際には、次のようなトラブルが起こることがあります。
- 保険資格の登録遅れにより「無保険」と見なされる
- 通信障害等で読み取り機器が使用不可になる
- 本人確認ができず、10割負担になる
このため、制度が完全に浸透するまでは紙の保険証(または資格確認証)を手元に残しておくことや、事前に保険資格の確認ができているかマイナポータルでチェックすることをおすすめします。
再確認ポイント:QRコードで何ができて、何ができないか
できること:
・マイナンバーカードと健康保険資格情報の紐付け
・マイナポータルからの登録状況確認
できないこと:
・保険の自動加入や資格取得の申請
・即時の医療機関受診保証(登録状況による)
登録後、利用開始までに数日を要する場合もあるため、初回利用前に一度自分のマイナポータルで確認しておくことが重要です。
まとめ:QRコード登録だけで安心せず、保険資格を確認しよう
QRコードを読み取ってマイナ保険証の登録を行うことは第一ステップにすぎません。実際に医療機関で利用できる状態にするには、保険資格の登録・反映が正しく行われているかどうかを確認する必要があります。
特に個人事業主の場合は、国保への加入や自治体での登録手続きを自分で行わなければなりません。手続きの漏れや確認不足がないよう、マイナポータルや市区町村窓口で丁寧にチェックを行いましょう。
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