うっかり車をバックで自宅の壁にぶつけてしまった——そんなとき「保険で修理できるのか?」と悩む方は多いのではないでしょうか。自損事故の一種であるこのケースは、自動車保険や火災保険で対応できる可能性があります。本記事では、壁の損傷に対してどの保険が使えるのか、どのような条件で補償されるのかをわかりやすく解説します。
車で自宅の壁にぶつけた場合の主な保険適用先
自分の車で自宅の壁に衝突してしまった場合、損害の対象は大きく2つに分けられます。
- 車の損傷:車両保険
- 壁の損傷:火災保険または対物賠償責任保険
つまり、車の傷についてはご自身の車両保険、家の壁に関しては火災保険や条件付きで自動車保険の対物補償が使える可能性があります。
壁の修理費に使える火災保険とは?
自宅の壁を壊してしまった場合、火災保険の「不測かつ突発的な事故」に該当すれば補償されることがあります。ただし、以下のような条件を満たす必要があります。
- 火災保険に「破損・汚損」や「建物外部からの衝突」補償が含まれている
- 自己所有かつ住居として使用している建物である
- 事故発生から一定期間内に申請する
火災保険の内容は契約によって異なるため、加入している保険の補償内容をよく確認しましょう。
車両保険は「自損事故補償あり」が必要
車の損傷については、車両保険に「一般型(自損事故補償あり)」がついていれば修理費をカバーできます。一方で、エコノミー型(車対車+限定危険型)では、自損事故は対象外となるため、補償されません。
また、自己負担額(免責金額)が設定されている場合は、その分の修理費は自己負担となる点にも注意が必要です。
対物賠償保険は原則「自宅には適用されない」
自動車保険の「対物賠償責任保険」は、他人の財物に損害を与えたときに使える補償ですが、自分の所有物(=自宅)への損害は対象外とされるのが一般的です。
つまり、自宅の壁に自分の車でぶつけた場合、対物賠償保険での補償は原則として受けられません。あくまで第三者の建物や塀に対して有効な補償です。
保険を使う際の注意点と手続きの流れ
保険を使うかどうかを判断する際は、次のポイントを考慮しましょう。
- 免責金額や等級ダウンによる保険料アップの影響
- 火災保険を使うと建物保険の更新時に保険料が上がる可能性
- 修理費が数万円程度であれば、保険を使わず自費対応するのも一案
手続きの流れとしては、まず事故の記録(写真)を取り、保険会社に連絡して相談するのが第一歩です。損害調査員による現地確認が行われる場合もあります。
実例:壁にぶつけた事故と保険の適用事例
例1:車庫入れ時に車の後部が外壁に接触し壁が一部破損。火災保険に「破損・汚損」補償がついていたため、自己負担なく修理可能に。
例2:車両のバンパーが破損。車両保険(一般型)で修理費用15万円のうち、免責金額5万円を除いた10万円が保険から支払われた。
まとめ:自宅の壁を車で壊した場合も保険で対応できる可能性あり
車をバックで駐車する際に自宅の壁を破損してしまった場合でも、火災保険(破損・衝突補償)や車両保険(自損事故補償付き)を通じて修理費用を補償できる可能性があります。
まずは加入中の保険内容を確認し、写真など証拠を確保したうえで保険会社に相談しましょう。保険を正しく使えば、思わぬ出費から家計を守ることができます。
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