高齢の親の代わりに子どもがローンを組むのはアリ?住宅・車購入における現実と注意点

ローン

高齢の親が年齢や収入の関係でローン審査に通らない場合、その子どもが代わりにローンを組むという話は、実は珍しくありません。住宅ローンや自動車ローンなど高額な買い物では特に多く見られます。しかし、これには法律的・税務的なリスクも伴うため、安易な判断は避けるべきです。この記事では、親のために子どもがローンを組むケースについて、よくある実例とともに、メリット・デメリットや注意点を詳しく解説します。

親の代わりに子どもがローンを組むケースとは

金融機関は通常、申込者の年齢や収入を重視してローンの可否を判断します。高齢の親の場合、返済期間の短さや収入の不安定さから審査に落ちるケースが少なくありません。そのため、子どもが名義人となってローンを契約し、親が実質的にその資金を利用する形がとられることがあります。

たとえば、70代の親が新しい家を希望しているがローンを組めないため、30代の子が住宅ローンを契約し、実際に親がその家に住むといったケースです。

名義貸しになる?法律上の注意点

親のために子どもがローンを組む場合、「名義貸し」とみなされる可能性があります。特に子どもがローンを組み、名義は子どもだが、実際の支払いや使用者が親という構図では、金融機関との契約内容に反する場合があります。

たとえば住宅ローンでは、「自己居住用」が前提条件であることが多いため、親が住むために組むと、契約違反と判断される恐れがあります。これは最悪の場合、一括返済を求められることもあります。

贈与税のリスクにも要注意

さらに、ローンを組んだ子どもが実際の支払いを親から受けていない、もしくは親が代わりに返済している場合、「贈与」とみなされるリスクもあります。年間110万円を超える金額のやりとりがあった場合、贈与税の課税対象になる可能性があります。

たとえば、子どもが2,000万円の住宅ローンを組み、実際には親が全額返済している場合、その支払いは「子への贈与」と解釈されることもあるのです。

連帯債務・親子ローンという選択肢も

こうした問題を避けるためには、「親子リレーローン」や「親子ペアローン」といった制度を利用するのも一つの方法です。これは親と子が共同でローン契約を行うもので、それぞれの収入や信用を活用して借入額を増やしたり、返済期間を柔軟に設定したりできます。

ただし、親子で連帯債務者になるため、どちらかが返済できなくなると、もう一方に責任が及びます。十分な家族間の話し合いと将来的な計画が不可欠です。

実例:実際にあった親のための住宅ローン事例

ある40代の男性は、80代の母親の希望で実家を建て替えることになりました。母親は年金暮らしでローンが組めなかったため、息子が住宅ローンを契約。しかし、金融機関から「自己居住が条件」とされたため、住民票を実家に移し、一定期間一緒に住むことで契約を成立させました。

このように、工夫次第で合法的にローンを活用することも可能ですが、税理士や司法書士など専門家の助言を受けるのが望ましいです。

まとめ:親のためにローンを組む前にすべきこと

親がローンを組めないからといって子どもが代わりに契約することは、決して珍しい話ではありません。ただし、法的・税務的な問題が絡むため、安易に進めると後々大きなトラブルになりかねません。

・住宅ローンの契約条件
・贈与税の課税リスク
・名義と実態の乖離によるトラブル
これらを踏まえ、事前に十分なリサーチと専門家への相談を行い、家族全体で納得のいく判断をすることが大切です。

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