親から教育費の援助を受ける場合、それが贈与に該当するのか、借入なのかによって税金の扱いが異なります。特に「教育ローンを親名義で借りて、そのお金を子に渡す」というケースでは、贈与税やその他の税制について正確な理解が不可欠です。この記事では、税務の観点から、親名義の教育ローンによる支援がどのような扱いになるのかを詳しく解説します。
教育ローンを親名義で借りた場合の基本的な仕組み
教育ローンを親が契約者として借り、その資金を子に渡す場合、原則として親が返済義務を負うことになります。この時点では「親が子にお金を貸す」形になり、贈与とはみなされません。
しかし、実質的に返済の必要がなければ贈与と判断される可能性が高く、その場合は贈与税の対象になります。
贈与税がかかるケースとは?
年間110万円を超える金額を無償で渡された場合、贈与税の課税対象になります。例えば、450万円を一括で援助されて返済の義務がないのであれば、110万円を超える340万円に対して贈与税が発生する可能性があります。
贈与税の税率は金額に応じて10%~55%と幅広く、仮に340万円の贈与があれば数十万円〜百万円超の納税義務が発生することもあります。
親子間の貸し借りを明確にする方法
贈与と誤認されないためには、「借用書の作成」「返済期限・利息の設定」「振込など証拠の残る形での貸し付け」が推奨されます。これにより、税務署にも正当な借入であると証明できます。
返済の実績がない、または親が返済を求めていない場合は、後からでも贈与と見なされるリスクがあるため注意が必要です。
「借りたら税金が差し引かれる」は本当?
親が「税金がかかるから手元に390万円しか渡せない」と言う場合、これは贈与税の分を子が負担する想定で差し引いている可能性があります。税金は実際には受贈者(お金を受け取った側)が支払うため、この説明は誤解を招く可能性があります。
また、教育資金の一括贈与に関する非課税制度(1,500万円まで)は、信託銀行を通じた正式な制度の利用が前提となり、ただの現金の手渡しでは適用されません。
毒親とお金の関係:トラブルを防ぐために
親との関係が不安定な場合、金銭のやりとりには特に注意が必要です。「贈与」や「貸付」を曖昧にせず、できる限り書面や証拠を残しておくことが、後の誤解やトラブルを防ぐ最善策となります。
場合によっては、税理士や行政書士に相談するのも安心です。
まとめ:親からの教育ローンの支援は「貸付」か「贈与」かで税制が異なる
親が借りた教育ローンを子どもに渡す場合、それが「贈与」か「貸付」かによって税金の有無が決まります。「税金がかかるから差し引く」という説明は必ずしも正しくないことが多く、実態と意図を明確にしておくことが重要です。安心して学業に集中するためにも、適切な知識と対策を持ちましょう。
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