障害年金の審査は本当に公平?精神障害・発達障害と身体障害の間にある認定格差の現実

年金

障害年金は、生活や就労に困難を抱える人々にとって、経済的な支えとなる重要な制度です。しかし近年、障害の種類によって審査基準に差があるのではないかという指摘が増えています。とりわけ精神障害や発達障害の申請者が不支給となる事例が相次ぎ、身体障害と比べて公平性に疑問を抱く声も少なくありません。本記事では、障害年金の審査基準と現実のギャップについて深掘りします。

障害年金の等級と受給条件についての基本

障害年金は、国民年金・厚生年金それぞれの加入状況に応じて「障害基礎年金」「障害厚生年金」として支給されます。基本的に、障害の重さは1級〜3級に分類されます(基礎年金は2級まで)。

障害基礎年金2級の目安:日常生活に著しい制限がある、または常に援助を必要とする程度とされていますが、実際の判断は「障害等級認定基準」に基づいて行われます。

障害の種類によって異なる等級認定基準

身体障害(例:聴覚障害、視覚障害、肢体不自由など)には、客観的な測定値や診断数値が明確に基準として設定されています。

例:聴覚障害であれば「平均聴力レベルが90デシベル以上」など明確な基準があります。

一方で、精神障害や発達障害は「日常生活能力の程度」や「適応能力の評価」といった主観的な要素が強く、医師の意見書(診断書)や本人の申立書に大きく左右されるため、審査にばらつきが生じやすいのが現実です。

なぜ精神障害や発達障害は通りにくいのか?

精神障害・発達障害の審査が厳しい背景には以下の理由があるとされています。

  • 客観的な数値で評価できないため、審査官の判断に依存しやすい
  • 「働けない状態」の立証が難しく、就労歴や通院履歴の整合性も重視される
  • 医師の診断書の内容が抽象的・形式的になりやすい

また、「就労している=労働能力がある」と見なされて却下されるケースも多く、就労支援施設などの非正規雇用でも不利に働くことがあります。

審査基準に感じる「不公平さ」の実態と声

SNSや相談窓口でも「明らかに就労不能なのに不支給」「身体障害の方が受給しやすい」といった声が多く寄せられています。特に精神障害や発達障害では、以下のような具体例が報告されています。

例1:統合失調症で通院・服薬中、就労不可であるにも関わらず「軽度の症状」と判定され不支給
例2:ADHD+うつ病で家事すら困難、しかし一度アルバイトした履歴を理由に却下

これに対し、聴覚障害や視覚障害では数値で明確な基準を満たせば、比較的スムーズに受給に至ることが多いです。

対策と相談先:不公平を感じたらどうする?

障害年金の審査結果に不服がある場合、まずは不服申立て(審査請求)を行うことができます。また、以下のような第三者機関への相談も有効です。

特に社労士は審査ポイントや必要書類の書き方を熟知しており、認定の可能性を大きく上げることが期待できます。

まとめ:審査基準の見直しと情報の透明化が求められる

障害年金の審査における「不公平さ」は、実際に現場で起きている課題です。身体障害は明確な数値で判断される一方、精神障害・発達障害は主観的要素が大きいため、診断書の書き方や生活状況の訴え方が合否を左右します。

現在も制度の運用や基準の見直しが進められていますが、個人レベルでは情報収集と専門家のサポートを活用することが最善策です。納得のいく結果を得るために、積極的に行動してみましょう。

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