家族が亡くなった際、銀行口座に関して「凍結されてしまう」といった話を聞いたことがある方も多いでしょう。実際、口座名義人の死亡は銀行にとって重大な事由であり、遺産相続や不正利用を防ぐために口座は速やかに凍結されます。この記事では、口座が凍結される仕組みと、手続きに必要な書類・持ち物をわかりやすく解説します。
なぜ死亡すると銀行口座は凍結されるのか?
口座名義人が亡くなると、その人の預貯金は「遺産」として扱われます。相続人の間で分割や管理が行われる前に、銀行側は口座の不正利用を防ぐため、死亡の事実を確認した時点で口座を凍結します。
凍結後は、引き出し・振込・引き落としなどのすべての取引が停止されます。ただし、公共料金などの自動引き落としも停止されるため、注意が必要です。
銀行に死亡を届け出るときの流れ
銀行に対して死亡を届け出るのは、通常、遺族の中で代表者となる相続人です。以下のような流れで手続きが進みます。
- ① 銀行に連絡し、死亡の事実を伝える
- ② 銀行所定の「相続届」や手続き案内を受け取る
- ③ 必要書類を集め、窓口で手続き
電話や窓口での初回連絡時には、亡くなった方の氏名・口座番号・生年月日・死亡日・届出人の続柄などが聞かれるため、事前に確認しておくとスムーズです。
銀行口座の相続手続きに必要な主な持ち物・書類
相続手続きで必要とされる代表的な書類は以下のとおりです(銀行により若干異なります)。
書類名 | 備考 |
---|---|
死亡診断書(コピー可) | または除籍謄本 |
戸籍謄本 | 名義人の出生〜死亡までのもの |
相続人全員の戸籍謄本 | 関係を証明するため |
相続人全員の印鑑証明書 | 3ヶ月以内のもの |
遺産分割協議書 | 相続人全員の署名・捺印が必要 |
銀行所定の相続届 | 銀行で配布されます |
通帳・キャッシュカード | 紛失していても手続き可能 |
本人確認書類(免許証等) | 届出人の身分確認用 |
銀行によっては遺言書の有無や、遺産分割の方法によって追加書類が求められることもあります。
凍結された口座から葬儀費用を引き出せる?
原則として、凍結された口座からはお金を引き出すことはできません。しかし、例外的に銀行によっては、葬儀費用や入院費などに限り、一部の出金を認める制度があります。
その際は、葬儀会社の請求書や領収書の原本、見積書のコピーなどが必要となる場合があるため、できるだけ詳細に準備しておくと良いでしょう。
相続人が複数いる場合の注意点
相続人が複数いる場合、誰か1人の同意だけでは手続きが進められません。全員の合意と印鑑証明が必要となるため、書類の取りまとめや段取りに時間がかかることも想定されます。
また、相続トラブルを避けるために、あらかじめ家族内で資産状況を共有しておくことも大切です。
まとめ:口座凍結後の対応は早めに準備しよう
口座名義人が亡くなった際には、迅速に銀行へ連絡し、必要書類を揃えることが大切です。口座凍結によって日常の支払いにも影響が出ることがあるため、可能な限り早く対応するよう心がけましょう。
不明点がある場合は、銀行窓口やコールセンターで事前に相談することで、手続きがスムーズになります。
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