「老後資金に3000万円が必要」とよく言われますが、それを聞いて「そんなの無理…」と感じる方も少なくありません。実際に、収入やライフスタイル、支出状況によって貯蓄のハードルは大きく変わります。この記事では、“65歳までに3000万円貯める”という目標を現実的に捉え、どうすれば到達可能なのかを具体例を交えて解説します。
まずはシンプルに:3000万円貯めるために必要な積立額
貯金額を年数で分割して考えると、月にどれだけ貯めれば良いかが見えてきます。
開始年齢 | 月の積立額(利息なし) |
---|---|
25歳 | 約71,500円(40年で達成) |
35歳 | 約125,000円(30年で達成) |
45歳 | 約250,000円(20年で達成) |
こうして見ると、早く始めるほど負担が小さいことが分かります。
資産運用を活用すれば必要な積立額はグッと下がる
月に7万円以上を貯金するのは難しいと感じるかもしれませんが、積立投資(つみたてNISAやiDeCoなど)を活用すれば、運用益によって資金形成のスピードを上げることが可能です。
たとえば、年利5%で運用できた場合。
- 25歳から月3.5万円積立 → 65歳で約3,000万円
- 35歳から月6万円積立 → 65歳で約3,000万円
貯金だけでなく、投資という選択肢を取り入れることで達成の現実味がぐっと増します。
節約と収入アップを同時に考える
無理に生活を切り詰めるのではなく、支出を見直して「固定費の削減」や「ムダの排除」を図るのが第一歩です。
- 通信費を格安SIMに変更
- サブスクや保険の見直し
- ふるさと納税や節税制度の活用
さらに副業(ライター・フリマ・スキルシェアなど)や昇給・転職による収入増を検討することで、より現実的なプランが立てられます。
実例:30代からの積立で3000万円達成が見えた人
会社員のAさん(36歳)は、30代後半から資産形成を意識し始め、つみたてNISAで月5万円、iDeCoで月2万円の積立を開始。合わせて節約と副業で年20万円ほどの貯金も実施。
現在40歳の時点で金融資産は約600万円。順調に行けば60代には3000万円以上を形成できる見込みです。
「無理」だと思ったときこそ、まずは現状把握
何より重要なのは、「自分にとって無理な額」ではなく、「自分にとって現実的なペース」を見極めることです。
そのために、まずは以下をチェックしましょう。
- 現在の収支(月々の余剰資金)
- 保有資産と負債の一覧
- 65歳までの年数とリスク許容度
この棚卸しをもとに、月3万円からでも積立をスタートすることが、最も確実な第一歩です。
まとめ
「65歳までに3000万円なんて無理」と感じるのは自然なことですが、長期的にコツコツ積立をしながら、運用を取り入れれば、十分に実現可能な目標となります。
ポイントは、早く始める・無理せず続ける・収入も支出も見直すという3点です。最初は少額でも構いません。「今できること」から始めることで、未来の安心につながります。
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