生活保護を受給中の方でも、状況によっては就労し社会保険に加入することが可能です。しかし、制度の仕組みや申告の義務、ケースワーカーとの対応など、慎重に進めなければならない点が多くあります。この記事では、生活保護受給中に働きたいと考える方が注意すべきポイントを解説します。
生活保護を受けながら働くことはできるのか?
まず大前提として、生活保護を受けていても就労することは制度上「推奨」されています。厚生労働省も、可能な範囲で働くことによって自立を目指す姿勢を評価しています。
実際には、フルタイム・パートタイム問わず働くことができますが、得た収入は「収入申告」の対象となり、その分生活保護費が調整(減額)される仕組みです。
社会保険に加入したらどうなる?
社会保険(健康保険・厚生年金)に加入することは問題ありません。ただし、加入に伴って「保険料の自己負担」が発生するため、手取り額が思ったより少なくなる場合があります。
生活保護では社会保険料も「必要経費」として認められ、差し引かれたうえで収入認定されることもあるため、保険料の明細や源泉徴収票を保管することが重要です。
収入申告の手続きとそのタイミング
働く場合は、どんなに少額であってもケースワーカーに収入申告を行う義務があります。申告しないまま就労を続けると「不正受給」とみなされる可能性もあるため、事前の申告が原則です。
具体的には、給与明細や勤務時間のわかる資料、勤務先の情報などを福祉事務所に提出します。
ケースワーカーと信頼関係が築けない場合の対処
「ケースワーカーが信頼できない」「対応が悪い」といった声も少なくありません。そうした場合は、以下の対応をおすすめします:
- 担当変更を希望する(窓口で申請可)
- 福祉事務所の上司や課長クラスに相談する
- 地域の生活保護支援NPOや弁護士に相談する
記録を残しておく(会話内容・日時など)ことで、自身を守る材料にもなります。
実例:社会保険加入しながら生活保護を続けた事例
ある30代男性は、月8万円の生活保護を受けながら、週4日のパート勤務を開始。勤務先で社会保険加入が義務付けられていたため保険料が差し引かれましたが、福祉事務所に事前に申告したことで生活保護費の減額は最小限にとどまりました。
このように、正しく手続きをすれば社会保険加入も問題なく生活保護と両立できます。
まとめ:制度を理解して正しく働く準備を
生活保護受給中であっても、働く意欲を持ち、社会保険に加入することは可能です。ただし、収入の申告義務や保険料の自己負担など、制度上の手続きは必要不可欠です。
ケースワーカーに不満がある場合でも、記録を残しつつ冷静に対応し、必要なら第三者機関を頼ることも視野に入れましょう。正しい知識を持って、安心して働く一歩を踏み出しましょう。
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