年金受給額は老後の生活設計において非常に重要な要素です。「2ヶ月で24万円」、すなわち月額12万円の年金を受け取るには、どのような条件を満たせばよいのでしょうか。本記事では、具体的な年金額の計算方法や、目安となる加入期間・年収水準、さらに増額のための工夫までをわかりやすく解説します。
年金支給は2ヶ月に1回、奇数月にまとめて振込
日本の公的年金は、2ヶ月に1回、原則として奇数月(1月・3月・5月・7月・9月・11月)に支給されます。したがって、1回あたりの振込額が24万円であれば、月額12万円の年金を受け取っている計算になります。
この金額に到達するためには、厚生年金の加入実績が大きな鍵となります。国民年金のみの加入者では、この金額に届くのは難しいのが現状です。
月額12万円の年金を受け取るための条件とは
2025年度時点の水準で、月額12万円の年金を受け取るには、概ね以下のような条件が目安になります。
- 厚生年金加入期間:約30〜35年以上
- 平均標準報酬月額:約30万円〜35万円
- 国民年金(基礎年金)部分:満額で月額約6万7千円程度
たとえば、サラリーマンとして40年間勤務し、平均年収が約500万円程度であれば、2ヶ月で24万円程度の年金を受け取ることは現実的です。
実例:Aさんの年金受給ケース
東京都在住のAさん(65歳・男性)は、20歳から60歳までの40年間、厚生年金に加入。平均年収は約480万円でした。この条件で受け取っている年金は、月額約12万5千円で、奇数月には約25万円が振り込まれています。
一方、Bさん(自営業・65歳女性)は、国民年金のみで40年間納付しており、月額約6万7千円。2ヶ月で13万円台の支給となっており、生活スタイルに大きな差が見られます。
国民年金のみでは2ヶ月24万円は難しい
国民年金だけに加入している場合、2025年度時点での満額は年間約80万円(月額約6.7万円)です。つまり、2ヶ月で13万円程度が上限となるため、それ以上の受給額を望むなら、付加年金や国民年金基金、iDeCoなどの制度を活用して上乗せする必要があります。
たとえば、国民年金基金に加入して月額2万円を追加で積み立てていれば、受取額は月1万円程度増えることが見込めます。
年金額を増やすための工夫と制度
年金額を増やすためには、以下のような工夫や制度を活用することが考えられます。
- 繰下げ受給:受給開始年齢を最大75歳まで遅らせることで、最大84%増額可能
- 付加年金:月400円の追加負担で将来の受取額を増やす制度(自営業者など対象)
- 厚生年金の継続加入:60歳以降も働き続けて厚生年金に加入すれば、その分年金額が増える
これらの制度を活用することで、将来的に月額12万円以上の年金を目指すことも現実的になります。
まとめ:2ヶ月24万円の年金には厚生年金加入がカギ
2ヶ月で24万円、すなわち月12万円の年金を受け取るには、厚生年金に長期加入し、一定以上の収入を得ていたことが前提となります。国民年金だけでは届きにくいため、補完制度の活用が不可欠です。
自身の年金見込み額は「ねんきんネット」で確認できます。将来のために早めに計画を立て、可能な範囲で備えをしておきましょう。
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