子育てが一段落し、これからの資産の使い方や相続のことを考えるタイミングに差し掛かる50代。余裕資金がある程度ある場合、「円建て一時払い終身保険」は、万が一のときの保障と将来の資産承継を両立できる手段として注目されています。この記事では、保険選びのポイントやおすすめ商品、そしてお子様への平等な分配の観点から「1本でまとめるか」「2本に分けるか」について解説します。
円建て一時払い終身保険とは?その特徴とメリット
一時払い終身保険とは、契約時に一括で保険料を支払うタイプの生命保険です。死亡時に保険金が確実に支払われ、契約者が生きている限り保険は継続。中途解約すれば解約返戻金があり、資産としての機能も持っています。
円建てであれば為替変動の影響を受けず、予定利率に基づいて返戻金が増える設計が多いため、安定志向の方に適しています。
おすすめの保険会社と商品名(2025年時点)
以下は、50代女性におすすめされることが多い円建て一時払い終身保険の代表例です(2025年7月現在)。
- 住友生命「たのしみワンダフル終身」:保障と解約返戻金のバランスが良く、資産形成と保障の両立に向く
- 明治安田生命「つみたて終身」:早期解約でも返戻率が高く、柔軟に動かせる
- 第一生命「プレミアカバレッジ終身」:加入年齢上限が高く、保険料に対しての保障額も比較的良好
いずれも商品性は似ていますが、解約返戻率や加入可能年齢、医的審査の有無が異なるため、細かな比較が必要です。
2本に分ける?1本でまとめる?選択のポイント
お子様2人に平等に遺すことを目的とする場合、「2本に分ける」か「1本で契約して受取人を分ける」かが悩みどころです。
2本に分けるメリット:
- それぞれに明確な金額を設定できるため、相続時のトラブル防止になる
- 契約者・被保険者を別々に設定することも可能(贈与対策に応用可能)
1本でまとめるメリット:
- 管理がシンプルで手続きが少ない
- 保険料が高額になることで、返戻率や利率が有利になる可能性がある
たとえば、1,000万円の余裕資金がある場合、500万円ずつ別々に契約し、それぞれに子供を受取人とすることで公平性とトラブル回避が見込めます。
保険を活用した相続・贈与対策の基本
終身保険は相続税対策としても有効です。法定相続人1人につき500万円までの保険金が非課税枠となるため、2人いれば最大1,000万円までが非課税に。
また、贈与契約型の終身保険であれば、契約者をお子様にして保険料を贈与する形式を取ることも可能です。この場合、毎年110万円以内に収めれば贈与税非課税枠を活用しながら資産移転が可能です。
実例:子供2人のために契約を分けたケース
50代女性Aさんは、1,000万円の余裕資金を使い、住友生命の終身保険を500万円ずつ2本契約。受取人をそれぞれの子供に設定しました。契約は自身を被保険者とし、死亡時に各500万円が確実に子供に届く設計です。
さらに、将来的に解約して学費や結婚費用として使いたい場合も考慮し、返戻率が高く中途解約リスクが少ない商品を選びました。
まとめ:保険は資産設計と家族への思いやりを形にするツール
円建て一時払い終身保険は、安定した資産運用と万が一の備えを両立できる優れた手段です。契約を1本にまとめるか、2本に分けるかは、目的とご家族の関係性によって柔軟に考えるのがベストです。
子供たちへ公平に想いを遺すためにも、受取人設定や非課税枠の活用、商品選びのポイントを押さえて、ご自身に最適なプランを立てましょう。
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