米ドル建て終身保険を続けるべきか?解約・乗り換え・NISA活用の判断ポイントを解説

生命保険

外貨建て保険の契約を長年続けてきたけれど、見直すべきか悩んでいる方は少なくありません。特に「米ドル建て終身保険」のような外貨商品は、為替リスクや利率、保障内容のバランスを考える必要があります。この記事では、今後の選択肢として「続ける」「解約して再運用する」「保障を別で補う」といった視点から解説します。

米ドル建て終身保険の特徴とメリット

米ドル建て終身保険は、円建てよりも高い利率が期待できる一方で、為替の影響を受ける商品です。今回のケースのように、死亡保障が500万円相当で、すでに7割近く支払いが完了している状態であれば、解約するか継続するかの判断は非常に重要です。

終身保険は「保障を一生涯続けられる」ことが最大の特徴であり、支払いを終えるとそれ以降の保険料は発生せず、保障が継続します。このメリットを踏まえると、今後のライフプランにおいて活用できる資産として維持する価値はあります。

今解約した場合の返戻金の活用方法

今回の事例では、今解約すると返戻金が200万円。これは元本割れしていない可能性もあり、運用資金として再活用できる魅力的な原資です。NISA口座などを活用して、つみたて投資信託やETFに回すことで、保険よりも流動性が高く運用益が期待できます。

たとえば、年利4%で運用した場合、20年後には約440万円になる計算です(複利計算)。死亡保障の代わりに貯蓄を積み増して備えるという考え方も、選択肢の一つです。

生命保険の保障はどう補えばよいか?

「保険を辞めたら万が一のとき困るのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。実際は、掛け捨て型の定期保険や収入保障保険を使えば、月1,000円台で500万円〜1,000万円の保障を得ることも可能です。

現在の保障内容と必要な金額を洗い出し、必要最低限の保障だけを掛け捨てで準備し、残りは運用や貯蓄に回すという「保障と資産形成の分離」こそが、合理的な保険の考え方です。

積立型保険はなぜ見直されることが多いのか?

ここ数年、「積立型保険は損」と言われる背景には、コストの高さと運用効率の悪さがあります。保険会社の手数料が多く含まれ、同じ金額を投資に回した場合よりも資産の増え方が遅くなるケースが目立ちます。

また、インフレや円安の影響を考慮すると、米ドル建て商品でも実質利回りは想定より低くなることもあります。契約当時の利率と現在の金利環境を見比べて、今の価値を改めて計算することも大切です。

続けるか・辞めるかの判断ポイント

  • すでに支払いの大半が完了している
  • 死亡保障を必要としている
  • 保障目的か資産形成目的か
  • 返戻金の運用先が明確にあるか

これらを踏まえ、保険を続けることで得られる安心感を重視するか、それとも運用や保障の分離による合理性を取るかがポイントとなります。

まとめ:見直しは「損得」だけでなく「目的」で判断

米ドル建て終身保険の見直しを検討する際は、「今辞めて損か得か」だけでなく、自分の今後のライフプランや、何のための保障かを明確にすることが重要です。

200万円という資産を「確定された保障」として残すか、「柔軟な資産形成」として活かすか。どちらも正解です。ご自身の価値観と将来設計に合った選択をぜひ検討してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました