精神障害を抱えながらも生活の充実や自立を目指して働く方は少なくありません。その中でも「障害基礎年金2級」を受給しながら一般就労を検討している方にとっては、「働くと年金が止まるのでは？」という不安は非常に大きな問題です。この記事では、障害基礎年金の仕組みと、働くことで起こり得る影響について、わかりやすく解説します。
障害基礎年金2級とは？就労は即打ち切りになるのか
障害基礎年金2級は、「日常生活に著しい制限がある状態」と認定された方が対象です。就労の有無だけで等級や支給の可否が決まるわけではありません。重要なのは“就労の内容と働ける範囲”が日常生活にどの程度影響を与えているかです。
実際、就労継続支援B型事業所や短時間アルバイトを行いながら、障害基礎年金2級を継続して受け取っている方も多数います。
再認定（更新）の際にチェックされるポイント
障害年金は基本的に定期的に「更新審査（再認定）」があります。この審査で主に確認されるのは以下の点です。
- 診断書に記載された病状や生活能力
- 就労状況と収入
- 生活状況（例：一人暮らし・同居・支援の有無など）
たとえ働いていたとしても、「配慮のある環境で、軽度な業務を短時間行っている」といった事情が明記されていれば、すぐに支給停止となるわけではありません。
実際に就労しても障害年金が継続される例
たとえば、ある方は統合失調症のため障害基礎年金2級を受給中。作業所を経て、清掃業務に週4日・1日2時間勤務し、月収3万円ほどで働いていました。更新審査では、主治医から「症状の改善は見られるが、就労は限定的で支援が必要」と記載され、年金は継続されました。
このように、働きながらでも症状や支援体制をきちんと主張できれば、等級変更や支給停止は避けられるケースがあります。
就労の形態によって変わる影響とは？
障害年金の継続には、以下のような働き方の差も影響します。
| 働き方 | 年金への影響 |
|---|---|
| B型作業所 | 影響ほぼなし（収入も少額） |
| 清掃業務（短時間） | 診断書で補足すれば基本的に継続可能 |
| 一般雇用（週30時間以上） | 支給停止の可能性が高くなる |
特に、「定職として安定した収入を得ている」と判断されると、年金の受給は見直し対象となるため注意が必要です。
働くことへの不安と向き合うには
親や周囲の「年金が止まるから働かない方がいい」という声に不安になる方も多いでしょう。しかし、自立に向けた意欲や就労の工夫は、むしろポジティブに評価される場合もあります。
重要なのは、主治医とよく相談しながら、自分の体調と向き合った働き方を選ぶことです。更新時に必要な診断書も、主治医の理解と協力が欠かせません。
まとめ：働くことと障害基礎年金は両立できる
障害基礎年金2級を受給しながら働くことは、制度上「可能」です。ただし、就労の内容・時間・支援の有無などが大きく関係するため、自身の状況をしっかり把握し、医師や支援者と連携を取ることが重要です。
- 短時間・軽度の就労なら支給継続は十分可能
- 更新時の診断書がカギ。医師との連携を大切に
- 将来の自立を見据え、段階的な就労を検討しよう
年金を維持しつつ社会参加を目指すことは、決して矛盾ではありません。あなたらしい働き方を見つけてください。
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