2024年以降、火災保険や地震保険の保険料が大幅に上昇し、多くの家庭で「本当に入る必要があるのか?」と疑問を抱く方も増えています。本記事では、保険料の高騰の背景や、加入する価値、加入すべきかどうかの判断材料を具体的に解説します。
なぜ火災保険・地震保険は値上がりしているのか?
保険料が急激に上がった最大の理由は、自然災害の多発です。特に近年、台風・豪雨・地震による住宅被害が増え、保険会社の支払う保険金総額が膨れ上がっています。
たとえば、2018年の西日本豪雨や2019年の台風19号では、全国で数万件単位の保険金請求がありました。これにより、保険会社は将来的なリスクに備えるため、保険料を見直さざるを得なかったのです。
また、建築資材や人件費の高騰も、保険料上昇の一因です。再建築費の高騰により、保険金の支払額も増加傾向にあります。
保険料130万円は高すぎる?費用対効果の考え方
「5年間で130万円」というと、確かに非常に高額に感じます。しかし、実際に火災や地震で家を失った際、数千万円単位の出費が必要になることを考えると、保険の果たす役割は小さくありません。
たとえば、築20年の木造住宅でも、全壊時の再建費用はおおよそ2,500万円〜3,000万円かかるとされています。保険に入っていなければ、この全額を自己資金でまかなう必要があります。
一方で、保険に加入していれば、最大限度額で補償を受けられる可能性もあります。リスクに備える“転ばぬ先の杖”と捉えれば、コスト以上の価値がある場合も少なくありません。
そもそも保険は「家を建て直せる資産」がある人こそ必要?
一見、「十分な資産があれば保険は不要」と思われがちですが、実際には逆のケースもあります。たとえば資産を運用中であったり、投資や相続計画に含まれていたりすると、資産を崩すリスクを避けたい方もいます。
保険は「損害が発生したときにキャッシュを守る仕組み」でもあります。よって、資産がある人でも、“使いたくない資産”を守る手段として保険に加入することがあります。
特に、自宅が事業拠点や貸家である場合、被害によって生活や収入に影響が出るリスクがあるため、保険の価値はさらに高まります。
火災・地震保険のコストを抑える方法
保険料の負担が大きい場合は、見直しも重要です。例えば、以下のような方法があります。
- 補償範囲を必要最小限に絞る
- 耐火性能の高い住宅に見直す(割引制度の対象)
- 長期一括契約を選ぶ(割安になるケースが多い)
- 複数社の見積もりを比較して契約する
特に、ネット型保険会社などは中間コストが少ないため、割安な保険料で提供されているケースもあります。保険代理店だけでなく、直接見積もりを取ることで大きく差が出ることもあります。
火災・地震のリスクは地域や家によって違う
リスクの大小は住んでいる地域や建物構造によっても大きく異なります。たとえば、南海トラフ地震の影響が予測される地域では、地震保険の必要性は高いでしょう。
また、築年数が古い木造住宅や、密集した住宅地にある家屋は、火災の延焼リスクが高まります。ハザードマップを確認し、自宅のリスク評価を行うことは、保険加入の判断において非常に有効です。
市町村のホームページや、国土交通省の「重ねるハザードマップ」などを活用することで、具体的なリスクの可視化が可能です。
まとめ:高額でも“保険は安心を買う手段”と捉えよう
火災保険・地震保険の保険料は確かに高騰していますが、それは「災害リスクが現実的なもの」になってきた証拠でもあります。保険は無駄な出費ではなく、“最悪の事態から生活を守る手段”と考えるべきです。
保険の見直しや最適化を図りつつ、リスクと費用のバランスを取りながら、自分にとって本当に必要な補償内容を選択することが、これからの時代に求められる判断です。
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