特別支給の老齢厚生年金は申請し忘れてももらえる?年金の時効と手続きの注意点を解説

年金

特別支給の老齢厚生年金は、条件を満たすことで65歳前でも受給可能な年金制度ですが、実際には「自分で請求する」ことが前提になっており、申請を忘れると一部が受け取れなくなるケースもあります。本記事では、申請し忘れた場合の対処方法や、時効による支給制限について詳しく解説します。

特別支給の老齢厚生年金とは?

特別支給の老齢厚生年金は、昭和36年4月1日以前に生まれた人を対象に、60歳以降65歳未満の間に老齢厚生年金が支給される制度です。男性と女性で支給開始年齢が異なり、報酬比例部分や定額部分の構成によって受給額が決まります。

たとえば昭和34年4月生まれの男性なら、報酬比例部分は62歳から、定額部分は63歳から支給対象となります。ただし、年金は自動的に支給されるわけではなく、本人からの請求が必要です。

申請を忘れた場合どうなる?

特別支給の年金は、請求しなければ支給されません。もし申請をし忘れていた場合でも、過去5年分までは遡って支給を受けることが可能です。これは時効制度によるもので、5年を超える分は消滅してしまいます。

たとえば、62歳から受給可能だったが64歳でようやく申請した場合、本来受け取れるはずだった62歳からの2年間についても支給されます。ただし、60歳から62歳の部分があれば、それはすでに時効で失われているかもしれません。

時効による受給制限とその根拠

年金には「時効5年」が設けられています。これは、年金の請求をしていない期間の5年以上前の分は原則として受給できないという制度です(国民年金法第19条など)。

たとえば、62歳から支給対象だったが、64歳で初めて請求した場合には問題ありません。しかし、67歳になってから請求した場合、支給開始から5年を超えた分(62歳から66歳までの1年分)は時効により受給不可となります。

年金事務所で確認すべきポイント

年金事務所での手続きでは、以下の点を確認しましょう。

  • 特別支給の対象となっているか(生年月日・加入期間)
  • 報酬比例部分・定額部分の支給開始年齢
  • これまでの未請求期間と受給可能な期間
  • 必要な書類:年金手帳、本人確認書類、印鑑など

申請を行うことで、受給漏れを防ぎ、可能な限り年金を受け取ることができます。年金事務所の職員が親身に対応してくれるので、日本年金機構の公式サイトから最寄りの事務所を確認して、予約して訪問するとスムーズです。

実際のケース:申請忘れでもらえた例

65歳になってから年金事務所に訪問したAさん(昭和34年生まれ)は、62歳から支給対象の報酬比例部分について請求し忘れていたことに気づきました。年金事務所で確認した結果、63歳〜65歳の分(2年分)は遡って支給されましたが、62歳時点の1年分は時効により失効してしまいました。

このように、時効制度によって一部の年金がもらえない可能性もあるため、早めの確認と請求が大切です。

まとめ:申請忘れに気づいたら早めに行動を

特別支給の老齢厚生年金は、自分で請求しないと受け取れません。しかし、請求が遅れても過去5年分は遡って受け取れるので、諦めずに年金事務所へ相談しましょう。無知であっても制度を理解し直し、可能な限りの受給を目指すことが大切です。

年金は将来の生活を支える大切な収入源です。自身の権利を確実に守るためにも、制度の正しい理解と早めの対応を心がけましょう。

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