雇用保険の受給期間中に職業訓練を受ける場合、通常の失業手当(基本手当)とは別の給付制度が適用されることがあります。今回は、職業訓練を受ける際の給付の仕組みや注意点、途中での切り替えの影響について詳しく解説します。
雇用保険の基本手当と職業訓練給付の違い
通常、失業中に支給されるのが「基本手当(失業手当)」ですが、ハローワークの指導・あっせんを受けて公共職業訓練などに参加する場合、「受講中も基本手当を延長して受給できる」仕組みや「職業訓練受講給付金(月10万円)」が適用されることがあります。
訓練開始時点で基本手当の受給日数が残っていれば、その期間中は引き続き基本手当を受給可能です。受給期間を過ぎた場合でも、一定の条件を満たせば職業訓練給付金へ切り替えて支給が継続されます。
職業訓練中に基本手当から職業訓練受講給付金へ切り替わる条件
雇用保険の基本手当の支給期間(通常最大150~330日)が訓練中に終了した場合、その後は「職業訓練受講給付金(月額10万円)」に切り替わります。ただし、以下の条件を満たす必要があります。
- 本人収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月25万円未満
- 一定額以下の預貯金
- 訓練出席率が8割以上
この給付金は「訓練延長給付」とは別の制度です。職業訓練がハローワークの指示であることも前提条件になります。
途中で体調不良などで欠席した場合の影響
職業訓練中に病気や体調不良で1日欠席した場合、通常は診断書を提出することで出席扱いとなり、給付に影響は出ません。ただし、出席率が80%未満になったり、無断欠席があった場合はその月の給付が減額または停止されることがあります。
たとえば7月から訓練を開始し、9月で基本手当の支給日数が終了した後、条件を満たせば10月以降は職業訓練受講給付金が支給されます。ただし、その後の欠席には慎重に対応する必要があります。
実例:8月末で基本手当終了→12月末まで訓練受講
たとえば雇用保険の基本手当が8月末で終了し、職業訓練が7月末〜12月末の場合。
- 7月末~8月末までは基本手当が支給
- 9月からは職業訓練受講給付金(月10万円)に切り替え
このように継続的に支給される仕組みがあります。ただし、ハローワークでの事前相談と申請が必須です。
手続き上のポイントと注意点
訓練受講中の支給の切り替えや給付対象になるかは、事前にハローワークにて「訓練前キャリアコンサルティング」や「職業訓練受講給付金申請」を行う必要があります。
また、提出期限や申請書類(収入証明・住民票・通帳など)にも注意しましょう。手続きを怠ると、給付が停止される可能性があります。
まとめ
雇用保険の受給中に職業訓練を開始する場合、基本手当が残っていればそのまま受給でき、終了後は職業訓練受講給付金に切り替わる制度があります。
切り替え後の給付も、要件を満たし正しく手続きすれば安心して受けられます。体調不良などでの欠席も適切に申告すれば大きな問題にはなりません。必ずハローワークで詳細を確認し、スムーズな対応を心がけましょう。
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