大学生の子どもが高収入になったときの扶養・保険・年金の手続きガイド

社会保険

大学生のお子さまがアルバイトなどで大きな収入を得た場合、扶養や健康保険、年金の取り扱いに変化が生じる可能性があります。特に所得が増えた場合、親の扶養から外す必要があるかどうかの判断や、その後の対応を誤るとトラブルの原因にもなりかねません。今回は、収入が増えた子どもを扶養している親が取るべき手続きや注意点を、わかりやすく解説します。

健康保険の扶養から外す必要があるケース

会社の健康保険組合で子どもを扶養にしている場合、子どもの年収が130万円(60歳以上や障がい者でない場合)を超えると原則として扶養から外さなければなりません。パート・アルバイトであっても「年間収入が130万円を超えるかどうか」で判断されます。

特に、2024年から収入が大幅に上がって300万円になる見込みであれば、速やかに会社を通じて健康保険の扶養削除手続きを行う必要があります。その後は、本人が勤務先で社会保険に加入している場合はその保険に、未加入であれば国民健康保険への切り替えが必要です。

国民年金の学生納付特例の見直し

お子さまが20歳以上で学生の場合、通常は国民年金の学生納付特例制度を利用することで保険料の納付を猶予してもらうことができます。ただし、この特例は「前年所得が一定額以下であること」が条件です。

令和6年度の基準では、単身者で所得118万円以下(給与収入ベースで約130万円以下)が対象です。年収300万円となると、この基準を大きく超えるため、学生納付特例の対象外となります。そのため、国民年金の納付義務が発生し、自分で納める必要があります。

扶養控除(税制上の扶養)の見直しも必要

税制上の扶養控除も、子どもの所得によって影響を受けます。一般的に、子どもの年間所得が48万円(給与のみであれば年収103万円)を超えると、親の扶養控除対象から外れます。

今回のように300万円の収入があれば、扶養控除の対象外であり、年末調整または確定申告で扶養から外す必要があります。会社の年末調整書類に正確な情報を記載することが大切です。

その他に必要な手続きや確認事項

  • 子どもが勤務先で社会保険に加入しているかの確認(週30時間以上勤務等が目安)
  • 会社への「扶養削除届」や「保険証返却」の手続き
  • お子さま自身による年金納付開始(必要に応じて納付書の手配)
  • 市区町村への国民健康保険加入手続き(該当する場合)

特に学生アルバイトからの収入が急増するケースでは、本人も家族も制度の切り替えに気付きにくいことがあります。手続きが遅れると、追納・保険料の請求など思わぬ負担になる可能性もあるため、注意しましょう。

まとめ:収入が増えたら「扶養見直し」は必須

大学生のお子さまが年間300万円を稼ぐ場合、健康保険・税制上の扶養・年金のすべてにおいて扶養の条件を外れます。親の会社には速やかに報告し、各種手続きを進めることで、将来のトラブルを回避することができます。

必要に応じて、勤務先の総務や保険組合、市区町村の窓口へ相談しながら、制度を正しく使って安心できる環境を整えておきましょう。

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