毎年届く「ねんきん定期便」を見て、「こんなに払っているのに将来もらえる年金が少なすぎる…」と不安になる人は少なくありません。特に40代からは老後の備えが現実味を帯びてくるため、数字に対して焦りや疑問を持つのは当然のことです。この記事では、年金定期便の読み方と、今からでもできる老後資金の備え方についてわかりやすく解説します。
年金定期便に書かれている「今なら」の意味とは?
42歳で受け取った年金定期便には、現時点での年金加入期間と納付実績に基づく「現時点での見込み年金額」が記載されています。たとえば、「年間34万円(毎月およそ28,000円)」と書かれている場合、それは現在までの納付実績のみを反映した金額です。
つまり、今後も保険料を納め続けることで将来の受給額は当然増えていく仕組みになっています。現時点の金額が一生涯続くわけではありません。
18年後、実際の年金額はいくらになる?
厚生年金に加入している場合、将来的な受給額は「給与額 × 加入期間」で決まる仕組みです。仮に月収30万円で18年間厚生年金に加入し続けた場合、おおよそ月4〜5万円分の年金額が上乗せされることになります。
42歳時点での受給見込み額が月45,000円であれば、60歳まで納付を継続することで合計月額10万円前後の年金が見込まれるケースもあります。実際の額は日本年金機構の「ねんきんネット」などで試算可能です。
なぜ払った額に比べて少なく見えるのか?
年金制度は世代間扶養の考えに基づいています。つまり、現役世代が高齢者世代の年金を支える仕組みです。そのため、「払った金額がすべて自分に戻る」仕組みではありません。
また、公的年金は長生きリスクへの保険でもあります。寿命が想定以上に長くなった場合でも、生涯にわたり給付が続く点は他の金融商品にはない大きなメリットです。
年金だけでは足りない時代、今できる対策は?
将来の不安を和らげるには、「年金+自助努力」のバランスが必要です。次のような準備を並行して進めましょう。
- iDeCo(個人型確定拠出年金):老後資金を税優遇つきで積み立て可能
- つみたてNISA:投資信託を非課税枠で積み立て、資産形成を加速
- 企業型DCや退職金制度:勤務先にある制度の把握と活用
特に42歳から60歳までの18年間は、資産形成と老後準備にとって極めて重要な時期です。
「年金だけじゃ暮らせない」の本当の意味
多くのメディアで「老後は年金だけじゃ暮らせない」と言われていますが、正確には「年金+自助努力で必要額を補う」ことが求められています。
総務省の家計調査によると、夫婦2人の老後生活費はおよそ月22〜25万円。そのうち年金で賄えるのは15万円前後と言われており、差額をどう補うかがカギとなります。
まとめ:年金定期便は今の目安。過剰な不安より正しい理解を
42歳の時点で年金額が少なく見えるのは当然です。大切なのは、その数字を見て「今後どう備えるか」を考えること。定期便はあくまで現時点のスナップショットであり、老後に受け取る金額はあなたの今後の行動次第で変わります。
不安を前向きな行動に変えることが、豊かな老後への第一歩です。
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