不妊治療にかかる費用は高額になりがちで、経済的な不安を感じる方も少なくありません。そんな中で、生命保険の一部である「先進医療特約」などを活用することで、費用の一部をカバーできる可能性があります。この記事では、不妊治療と生命保険の関係、保険請求が可能な治療内容や注意点について詳しく解説します。
不妊治療における保険の活用とは
不妊治療は2022年より保険適用の対象が拡大されましたが、すべての治療が対象というわけではありません。特に「先進医療」と呼ばれる一部の高度な治療は保険適用外となるため、生命保険に付帯できる「先進医療特約」によるカバーが重要となります。
この特約をつけておくことで、例えば胚のタイムラプス撮影や子宮内膜受容能検査(ERA検査)など、保険適用外の高度な治療を受けた際に、技術料相当分が支払われる可能性があります。
保険請求ができる主な不妊治療
先進医療特約の対象となる治療は、厚生労働省が認定する「先進医療」としてリスト化されています。たとえば以下のような治療が対象となります。
- 胚培養におけるタイムラプス撮影法
- 二段階胚移植法
- SEET法(子宮内膜刺激胚移植法)
これらはすべて保険診療と同時に行うことが条件で、実施医療機関も限られているため、事前に確認が必要です。
実際の保険請求の流れ
不妊治療に関する保険請求を行うには、次のようなステップを踏みます。
- 治療前に保険会社または担当者に先進医療特約の対象かどうかを確認
- 病院にて先進医療である旨の証明書・領収書を発行してもらう
- 保険会社に提出し、請求手続きを行う
重要なのは「治療前に確認する」こと。治療後に対象外とわかった場合、保険金が支払われない可能性もあるため注意が必要です。
保険以外の支援制度も活用しよう
不妊治療には保険だけでなく、自治体や国からの助成金制度も活用できます。特に住民税非課税世帯や所得制限内の世帯には、1回あたり数万円~数十万円の助成が出る場合もあります。地域によって支援内容が異なるため、市区町村の公式サイトで確認しておきましょう。
また、企業の福利厚生で治療費の一部補助を受けられる場合もあるため、勤務先の制度も要チェックです。
まとめ:不妊治療の費用負担は保険と制度で軽減できる
不妊治療において、生命保険の先進医療特約を上手に活用することで、費用負担を軽減できる可能性があります。対象治療や請求手続きについて事前にしっかりと確認しておくことが重要です。また、公的助成や自治体の支援制度も併用しながら、無理のない治療計画を立てましょう。
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