お金を預けたり運用したりする際に避けて通れない「利子」。一見すると単純に思える利子の仕組みですが、実はその“付き方”には大きな違いがあります。この記事では、特に重要な「単利」と「複利」の違いをわかりやすく解説し、どちらが実際の金融商品で使われているのかを具体的な例とともに紹介します。
単利とは?毎年同じ額の利子が付く仕組み
単利とは、元本(最初に預けたお金)に対してだけ利息が付く仕組みです。たとえば、1億円を年利10%で5年間預けた場合、毎年1000万円の利息が得られ、5年後の合計は1億5000万円になります。
計算式は非常にシンプルで、「元本 × 金利 × 年数」。利息が固定されており、毎年の増加額は変わりません。保守的な資産運用に向いているものの、長期的な増加力は限定的です。
複利とは?利子が利子を生むパワフルな仕組み
複利は利息を再投資することで、次年以降の利息計算に組み込まれる仕組みです。つまり、「前年の元本+利息」が翌年の元本として計算されるため、年々増加ペースが上がっていきます。
1億円を年利10%で5年複利運用した場合、以下のように推移します。
年 | 残高(円) |
---|---|
1年目 | 110,000,000 |
2年目 | 121,000,000 |
3年目 | 133,100,000 |
4年目 | 146,410,000 |
5年目 | 161,051,000 |
このように、同じ10%の利率でも、5年間で差が1,051万円も開くのが特徴です。
実際の銀行預金ではどちらが主流?
一般的な日本の銀行の定期預金は「単利」が基本です。ただし、金融商品によっては複利が適用されるケースもあります。たとえば、個人向け国債(変動10年)や投資信託などでは複利効果が反映される設計のものがあり、長期投資において威力を発揮します。
ネット銀行などでは、ボーナス時期のキャンペーンで「複利風」に運用できる商品が登場することもあり、事前の確認が重要です。
シミュレーションで差を実感しよう
金融庁や多くの金融機関では、複利運用の効果を試算できるシミュレーションツールを提供しています。金融庁「教えて!にいさ」などが活用例です。
例えば、「1億円を年利5%で30年間複利運用」した場合、最終的な金額は約4.3億円となり、単利の約2.5億円と大きく差がつきます。
まとめ:利子の仕組みを理解して賢く資産運用を
「単利」と「複利」は、資産運用において大きな違いを生む重要な概念です。預金や投資の際には、どちらの方式が使われているかを必ず確認しましょう。特に長期運用を前提とするならば、複利の力を味方につけることが資産形成のカギとなります。将来の資産を最大化するために、金利の仕組みを理解して上手に活用していきましょう。
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