社会保険に加入できない?事業所の規模と法律に基づく対応策をわかりやすく解説

社会保険

一定の条件を満たしているにもかかわらず、会社が社会保険への加入を拒むケースは珍しくありません。特に中小企業や従業員数が50人前後の事業所では、制度への理解不足や意図的な回避も見受けられます。本記事では、社会保険の加入条件や会社が義務を果たさない場合の対処法、実際に行動する際の注意点などを詳しく解説します。

社会保険の加入義務は「従業員51人以上」で拡大される

企業は、常時雇用されている従業員が51人以上いる場合、短時間労働者(週20時間以上かつ月収8.8万円以上等)にも社会保険の加入義務が発生します。

つまり、あなたがこの条件を満たしていれば、会社はあなたを社会保険に加入させる義務があります。

会社が社会保険に加入させない理由と実情

一部の会社では保険料の事業主負担を避けるために、本来加入対象の社員を意図的に未加入にしていることがあります。また、「雇用保険に入っているから大丈夫」と誤魔化すケースもありますが、これは法的に全く別の制度です。

厚生年金と健康保険は「社会保険」、雇用保険は「労働保険」に分類され、加入対象も異なります。

まず相談すべきは年金事務所。手続きはあくまで会社の義務

年金事務所は、社会保険の適用事業所かどうかを判断し、事業所調査や指導を行ってくれます。しかし、加入手続き自体は会社が行う必要があるため、年金事務所は「届け出を受け付ける」ことしかできません

相談時には、自分が条件を満たしていることを証明するために「労働時間・給与・雇用形態がわかる資料(雇用契約書や給与明細など)」を持参するのが望ましいです。

労働基準監督署や弁護士への相談も視野に入れる

年金事務所から指導を受けても会社が動かない場合、労働基準監督署や労働局に「労働条件の不利益変更」「未加入による損害」などを理由に相談することができます。

最終的には「労働審判」や「民事訴訟」といった法的手続きで、会社に社会保険料の遡及加入や補填を求めることも可能です。ただし、証拠の確保や交渉には専門的知識が必要なため、労働問題に強い弁護士に早めに相談することが有効です。

「辞める」「副業にする」と伝えた場合の会社の反応

社会保険未加入問題を訴えた上で「辞めたい」「副業化したい」と申し出た場合、会社によってはトラブルを避けようと妥協案を提示してくるケースもあります。

ただし、逆に「問題を起こす社員」として冷遇されたり、圧力をかけてくる場合もあるため、やり取りは必ず録音や書面で記録しておくことを強くおすすめします。

過去の未加入期間に対して遡及請求できる?

本来社会保険に加入しているべきだった場合、最長2年間まで遡って加入させることが可能です。会社が虚偽の報告をしていたことが確認されれば、年金事務所が是正を求めることがあります。

ただし、実際に遡及されるかは年金事務所の調査や判断によるため、強い意思表示と資料提出が重要です。

まとめ:あなたは悪くない。制度を理解し、正しい対処を

社会保険の未加入問題は、会社側の義務違反である可能性が高く、労働者であるあなたに落ち度はありません。自分の権利を守るためにも、適切な相談機関にアクセスし、証拠を集めながら着実に行動していくことが大切です。

無理なく将来の保障を確保するためにも、まずは年金事務所への相談、続けて労働基準監督署、必要であれば弁護士への相談と進めていきましょう。

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