医療保険の入院給付金はいくらが適正？手術費用・先進医療特約の選び方まで徹底解説

医療保険の加入を検討する際、最も悩ましいのが「入院給付金の金額をいくらに設定すべきか」という点です。入院1日あたりの給付額、手術の保障内容、先進医療特約の必要性など、選択肢が多く迷う方も多いのではないでしょうか。本記事では、保険の専門的な視点から適正な保障額や特約の選び方について解説します。

入院給付金の適正額は「1日5,000円〜10,000円」が目安

一般的に、入院給付金は1日あたり5,000円〜10,000円で設定する人が多く、最もポピュラーなのは「1日5,000円」です。

理由としては、公的医療保険の「高額療養費制度」があるため、実際の自己負担額はある程度抑えられるからです。たとえば、70歳未満で年収約370万円の方が1ヶ月入院した場合、自己負担は約8万円〜9万円程度で済みます。

それに対して、入院給付金が1日5,000円で10日間の入院であれば、5万円が支払われる計算になります。

多くの医療保険では、手術給付金は「入院給付金の◯倍」という形で支払われます。たとえば、1日5,000円の入院保障であれば、手術給付金は5万円〜10万円（10倍〜20倍）となるケースが多いです。

例：盲腸手術（開腹手術）をした場合、10万円が給付されるプランも一般的です。これに加えて入院費も出るため、まとまった補償を受けられるのが特徴です。

先進医療特約とは、健康保険が効かない先進的な治療にかかる技術料をカバーする特約です。技術料は高額で、1件で100万円以上になるケースもあります。

この特約は保険料が月数百円〜数千円程度と比較的安価で加入でき、費用対効果の高い保障とされています。特にがん治療や重篤な疾患で利用される可能性があるため、「備え」としての価値は高いです。

自分のライフステージや家計状況を考慮しながら、必要な保障を見極めることが重要です。

Aさんは、入院給付金5,000円、手術給付金10万円、先進医療特約付きのプランに月額2,000円程度で加入。実際に虫垂炎で入院し、5日間の入院＋手術で約12万円の給付を受けられました。公的保険でカバーされなかった食事代や個室代などもこの保険金でまかなえたとのことです。

医療保険は「備え」として活用するものであり、保険料が家計を圧迫してしまっては本末転倒です。1日5,000円の入院給付＋手術給付＋先進医療特約が、多くの方にとってコストパフォーマンスの高い組み合わせと言えるでしょう。

将来の不安に備えつつ、現在の生活も大切にできるバランスを意識して保険を選ぶことが、後悔のない選択につながります。