定年を迎える60代以降、多くの方が「仕事を続けるべきか」「年金で足りるのか」といった悩みを抱えています。家族から見て「無理をしているのでは」と感じることも少なくありません。今回は、年金と収入のバランスを踏まえた高齢期の働き方について、具体例を交えながら解説していきます。
年金だけで生活は本当にできるのか?
総務省の家計調査によると、65歳以上の夫婦のみ世帯の平均支出は月約23万円。年金収入が月27万円ある家庭であれば、平均的な生活は可能と考えられます。
ただし、住宅ローンや車の維持費、医療費がかさむと支出は上振れします。ライフスタイルを見直し、「本当に必要な支出」と「見直せる支出」を分けることが重要です。
母親が働き続ける心理的背景とは?
60歳を超えても働き続ける方には、「経済的不安」に加え、「役割の喪失への恐れ」や「働いていないと不安」という感情的要因もあります。
特に真面目な性格の女性ほど、「周囲も働いている」「自分が家庭を支えなければ」と感じ、無理をしてでも働こうとします。
実際の家計をシミュレーションしてみる
仮に夫婦の年金合計が月27万円、車を1台にして維持費を減らし、食費や通信費を見直すと、毎月5万円以上の支出削減も現実的です。
例えば、車を1台にするだけでガソリン・保険・車検代などで年間20万円以上の節約が見込めます。
退職後の生活費の備えと貯蓄の役割
貯蓄が「まあまあある」とのことですが、生活費に毎月3~5万円程度の取り崩しを行っても、10年で360~600万円。老後資金として十分であれば退職も選択肢に入ります。
また、退職後も数年は失業給付や高年齢雇用継続給付の制度が利用できる場合もあり、制度の活用も検討する価値があります。
家族としてできるサポートと伝え方
「辞めたほうがいい」ではなく、「無理していない? もし退職しても生活できるよ」と伝えることで、お母様も安心できるかもしれません。
具体的な生活設計表や収支表を一緒に作成して、現実的な生活イメージを共有することが重要です。
まとめ:働くかどうかは家計と気持ちのバランス
60代以降の働き方は「生活のため」だけでなく、「心の安心感」の意味もあります。年金や支出、貯蓄状況を冷静に見直した上で、家族全体での納得感ある選択を重視しましょう。
お母様の体調や気持ちも大切にしながら、無理なく安心して暮らせる老後設計を一緒に考えることが、家族としての最良のサポートになるはずです。
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