「たった400万円の借金で自己破産は早すぎるのでは?」と感じる方も多いかもしれません。しかし、借金問題は金額の多寡だけで判断すべきではなく、生活状況や返済能力によって選ぶべき選択肢は大きく異なります。本記事では、400万円という借金額で自己破産を検討する際の判断基準や、現実的な対応策について解説します。
自己破産の基本的な仕組みと誤解
自己破産は、借金の返済が事実上困難になった場合に、裁判所の手続を経て債務を法的に免除してもらう制度です。
「破産=人生終了」という誤解が根強くありますが、実際には生活を再建するための制度であり、決して恥ずべきものではありません。再び経済的に立ち直るための手段の一つです。
400万円の借金は自己破産すべきかの判断基準
借金額が400万円でも、「年収が高い」「固定収入がある」「生活コストを削減できる」など返済可能な状況なら、自己破産を回避できる可能性は十分あります。
しかし以下のようなケースでは、自己破産の選択が現実的です。
- すでに延滞や督促が続いている
- 複数の債務があり返済の見通しが立たない
- 病気や失業などで収入の見込みがない
「営業すれば1年で返せる」という意見の現実性
知人などから「営業すれば年収500万以上稼げるから返済できる」と言われることもありますが、これはその人の価値観や経験に基づいた主観的な意見にすぎません。
営業職はインセンティブ型の収入が多く、不安定です。また人間関係や適性に大きく左右されるため、簡単に転職して高収入を得られる保証はありません。
他にもある!自己破産以外の債務整理の選択肢
借金を減らす・返済しやすくする方法としては、以下のような法的手続きもあります。
- 任意整理:利息をカットし、月々の支払い額を調整
- 個人再生:最大90%以上の元本圧縮が可能(持ち家も守れることが多い)
それぞれにメリット・デメリットがあるため、弁護士や司法書士など専門家に相談するのが安全です。
実例:400万円の借金で自己破産したケース
実際に30代男性が、カードローンや消費者金融からの借金400万円を抱え、任意整理を試みるも収入が月12万円と少なく、分割返済すら困難だったため、最終的に自己破産を選びました。
手続後は生活保護を受けながら資格取得を目指し、2年後には派遣社員として就職するなど、再スタートを切ることができました。
まとめ:金額ではなく「返済可能性」で判断を
400万円という金額だけを見て「少ないから破産は早い」と決めつけるのは危険です。大切なのは、今後の生活を見据えて現実的に返済ができるのかどうかです。
判断に迷った場合は、法テラスや弁護士の無料相談などを活用し、客観的なアドバイスを受けることをおすすめします。
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