近年、金融機関におけるマネーロンダリング対策が強化されており、大口現金の預け入れには厳格な確認が求められるようになっています。特に6000万円という多額の現金を銀行に預け入れる場合、正当な理由があっても慎重な対応が求められます。本記事では、大金を預ける際の手続きや注意点、疑われないための準備などを解説します。
現金の預け入れは可能だが確認が必須
日本では、現金の持ち込みに法的な制限はありません。しかし、200万円以上の現金取引は、マネーロンダリング防止法(犯罪収益移転防止法)により本人確認や取引目的の確認が義務付けられています。
そのため、6000万円を現金で預ける場合、どこの銀行であっても確実に「資金の出所」「使途」「職業」などについて聞かれます。
疑われるのはどんな場合?
たとえ正当な資金であっても、以下のようなケースは銀行側に警戒されやすくなります。
- 身なりや生活環境と大金の額が極端にかけ離れている
- 新券や帯封つきの旧札が多く、出所が不明瞭
- 「親戚からもらった」「長年貯めていた」などあいまいな説明しかできない
特に新札や帯封付きの旧札が揃っていると、「一括で引き出した形跡がない=現金化の過程が不明」という理由で、銀行から疑義が生じやすくなります。
実際に銀行で行われる対応とは
銀行側は、法令に基づいて次のような対応を行うことがあります。
- 預け入れ目的や出所について書類での説明要求
- 本人確認書類の提示(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 内容によっては「疑わしい取引」として金融庁へ報告
これは本人が「怪しい」とされているのではなく、銀行が法的義務を果たしているだけです。誤解しないようにしましょう。
安心して預けるための準備とは
スムーズに預けるには、以下の書類・準備が役立ちます。
- 資金の出所を示す証拠:たとえば長年の給与明細、保険の満期証書、遺産分割協議書など
- 使い道の説明:不動産購入や老後資金など、明確な目的があると信頼性が増します
- 段階的な入金:一度に6000万円を持ち込むより、複数回に分けて預けることでリスクを下げられます
実例:ある高齢者が自宅の金庫に保管していた約3000万円を預ける際、昔の年金明細や、20年以上の預金通帳コピーなどを添えて説明し、問題なく入金できたというケースがあります。
もし断られた場合の選択肢
万が一、銀行から入金を断られたり疑いをかけられた場合は、以下の選択肢もあります。
- 他の金融機関に相談(信用金庫・ネット銀行など)
- 税理士やファイナンシャルプランナーに相談し、資産背景を明確に整える
- 少額ずつ入金して信頼関係を築く
なお、「なぜこの人物がこんな大金を?」という点は、銀行の職員にとってもリスク管理上の関心事であるため、過度に不快感を覚えず、丁寧に対応しましょう。
まとめ:大金の入金は合法だが準備がカギ
6000万円の現金を銀行に預けること自体は違法ではありません。ただし、現在の金融規制により、出所・用途の明確化が必須であり、丁寧な説明と事前準備が安心への第一歩です。
疑われないためには「透明性」と「説明責任」が重要です。適切な書類と誠実な態度で臨めば、たとえ生活スタイルにギャップがあっても、銀行は適切に対応してくれるでしょう。
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