交通事故にあった際、治療費や通院交通費に加えて「慰謝料」の金額も気になるところです。特に病院と整骨院に分けて通院していた場合、慰謝料の計算にどのような影響があるのかを知っておくと、交渉や示談時に有利になります。本記事では、通院日数や治療期間、弁護士介入の有無に応じた慰謝料の目安を具体的に解説します。
慰謝料の算出方法は主に3つの基準がある
交通事故の慰謝料算定には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士(裁判)基準の3種類があります。それぞれで金額が大きく異なるため、自分がどの基準で計算されるのかを把握することが重要です。
一般的に、
- 自賠責基準:1日あたり4,300円(2020年4月以降)
- 任意保険基準:各社で異なるが自賠責基準に近い
- 弁護士基準:症状や通院頻度により高額になりやすい
治療日数と実通院日数、どちらで計算される?
慰謝料は「実通院日数 × 2」または「治療期間の全日数」、このうちいずれか少ない方を基に算出されます。たとえば、治療期間が132日、実通院が69日の場合、69×2=138 >132となるため「132日」が基準になります。
この場合、自賠責基準で計算すると132日×4,300円=567,600円が慰謝料の目安です。
整骨院通院は慰謝料の対象になるのか?
整骨院への通院はすべてが慰謝料の対象になるとは限りません。医師の指示・紹介状があるかや、保険会社が通院を認めているかが重要です。
例えば、整形外科で診断後に「必要」とされて通院している場合は、整骨院通院日数も慰謝料計算に含まれる可能性が高まります。保険会社によっては通院日数の制限を設ける場合もあります。
交通費やガソリン代の請求はできる?
通院にかかった交通費も、実費やガソリン代(距離×単価)として請求可能です。公共交通機関の場合は領収書、車での移動は走行距離に応じた算定が一般的です。
今回のように「片道5kmで1kmあたり10円」だと、往復10km×132日=1,320km、×10円=13,200円が目安となります。ただし、通院頻度が少ない場合はその分だけ対象日数が減ります。
休業損害がゼロでも慰謝料請求は可能
個人事業主や非課税世帯で休業損害が0円となるケースでも、慰謝料の支払いには影響しません。休業損害と慰謝料は別物として計算されるため、治療の実態に基づき交渉することが重要です。
弁護士介入で慰謝料は増額する可能性がある
弁護士が介入すると、「弁護士基準」での交渉が可能になり、慰謝料が自賠責基準よりも大きくなるケースが多く見られます。例えば、弁護士基準では通院1日あたり7,000〜8,000円程度が採用されることもあります。
たとえば132日×7,000円=924,000円になることも。弁護士費用特約がある場合は費用負担なしで依頼できるので積極的に活用しましょう。
まとめ:通院実績に基づく慰謝料計算を丁寧に行おう
慰謝料の金額は「通院実績」「治療期間」「医師の診断」「弁護士の関与」によって大きく左右されます。特に整骨院通院の扱いには注意が必要で、保険会社との事前確認が鍵となります。
自賠責基準で計算する場合は132日×4,300円=567,600円が妥当な金額ですが、弁護士基準なら数十万円の増額も見込めます。最終的な交渉はプロに任せつつ、自分でも損をしないよう正確な記録を残しましょう。
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