20歳を迎えて初めて国民年金の払込書が届き、「えっ、月1万8000円も!?」と驚いた方も多いかもしれません。サブスク感覚で数千円だと思っていたら、予想外の金額。高いと感じるのも無理はありません。しかし、この金額の背景や制度の意味を知ると、少しだけその見方が変わるかもしれません。
国民年金はいくら?2025年度の保険料は?
2025年度の国民年金保険料は月額16,980円です(※物価変動により若干の変更あり)。これは全国民が同じ金額で、収入に関係なく定額で徴収されます。
ただし、20歳の学生がこの金額を見て高いと感じるのは当然で、現実的に支払いが難しい場合には後述の特例制度が活用できます。
なぜそんなに高いのか?国民年金の仕組みを理解する
国民年金は「現役世代が高齢者を支える」仕組みの世代間扶養型の社会保険です。
支払ったお金がそのまま「自分の将来」に積み立てられるわけではなく、今の高齢者に回る構造です。そのため、若い人には「自分に返ってこないのでは」と思われがちです。
将来いくらもらえる?払う価値はある?
2025年度の満額支給は、40年間納付で年間約81万円(1カ月あたり約6.7万円)です。学生のうちはピンとこないかもしれませんが、生活保護の基準を下回らないように設計されており、老後の最低限の生活を支える制度です。
また、老後だけでなく障害年金や遺族年金としての機能もあるため、「もしも」のときのセーフティネットでもあります。
学生はどうすればいい?学生納付特例制度を活用
学生には「学生納付特例制度」があり、申請することで保険料の支払いが猶予されます。猶予期間中は未納扱いにはならず、年金記録にも残ります。
社会人になってから追納することもでき、将来の年金額にも反映可能です。ただし、追納しないとその期間分の年金額が減る点には注意しましょう。
納付免除や猶予制度もある
収入が少ない人には「納付免除制度」「若年者納付猶予制度」なども用意されており、正しく申請すれば未納扱いになりません。未納だけは避け、必ず制度を使いましょう。
未納状態は、将来の年金支給停止や障害年金の不支給につながるリスクがあります。
正直、割に合う?それとも損?
国民年金は投資のようにリターンを期待する制度ではなく、「保険」の側面が強い制度です。障害時や死亡時にも家族に年金が支給されるなど、民間の保険ではカバーしづらい部分を保障しています。
また、年金制度には税金の支援も入っており、支払った額以上の保障が受けられる構造になっています。
まとめ:まずは知ること、そして制度を使いこなすこと
「国民年金は高すぎる」と感じるのは自然な感覚ですが、制度の背景を知れば、単なる搾取ではないと理解できます。
学生や若年層には特例制度や猶予制度が用意されているので、焦らずに正しい制度を使いこなすことが大切です。自分の将来のために「今は支払えない」ことを正しく伝えるだけで、将来の年金権は守られます。
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