子どもの将来の教育資金を確保するために加入する学資保険。しかし、数年後に契約内容が思っていたものと違っていたと気づくことがあります。特に「親が亡くなった場合の支払い免除(いわゆるAプラン)」と勘違いしていた場合は、家計への影響が大きくなることも。この記事では、学資保険の契約内容が当初の説明と異なっていた場合に取るべき対応や確認のポイントについて解説します。
まず確認すべきは「契約内容の証明」
保険に関するトラブルでは、契約時に交わした書類や保険証券が最も重要な証拠となります。仮にこれらの書類を紛失していても、契約先の保険会社(今回のケースでは第一生命)に問い合わせれば、契約内容を記した「契約概要」や「設計書」などの再発行や開示請求が可能です。
特に支払い免除の特約が付いていたかどうかは「契約特約一覧」や「保険証券の裏面」に記載されている場合があります。書類を捨ててしまった場合でも、まずはカスタマーセンターに連絡し、契約内容の確認を依頼しましょう。
営業担当が退職済みでも対応可能
保険契約時の営業担当者がすでに退職している場合でも、保険会社には記録が残っているため、過去の対応やプラン提案の経緯が確認できることがあります。第一生命では顧客ごとの応対履歴が残されているため、説明と異なる契約になっていた可能性についても調査を依頼することができます。
「言った・言わない」の問題にならないよう、可能であれば当時の記憶ややり取りをメモにまとめておき、相談時に伝えるとスムーズです。
中途解約やプラン変更は原則不可でも例外あり
学資保険は長期契約が前提であるため、途中でのプラン変更は難しいのが一般的です。また、中途解約は元本割れするケースが多く、慎重な判断が求められます。ただし、「契約内容の説明に重大な誤りがあった」「誤認による契約だった」と認められた場合は、契約の見直しや特例的な対応が行われることも。
実際に金融ADR(裁判外紛争解決制度)を通じて話し合いが行われ、保険会社側が対応したケースもあります。納得がいかない場合は、保険会社の苦情受付窓口や金融庁が紹介するADR機関に相談するのも一つの手です。
支払い免除の特約はどう確認する?
「親が亡くなった場合に保険料の支払いが不要になる」特約(保険用語では「払込免除特約」)が付帯しているかどうかは、以下のような方法で確認できます。
- 保険証券や契約書類を確認(再発行も可能)
- 保険会社のマイページにログインして契約内容を見る
- 第一生命のコールセンターへ連絡し、契約番号を伝えて確認
払込免除特約が未加入であれば、保険料の支払いが続きますが、学資保険の保障そのものがなくなるわけではありません。
実例:説明と違う契約内容に気づいたケース
ある保護者の方は、営業担当者から「万が一の時も保険料が免除されるプランです」と説明を受けて契約。しかし実際にはその特約が付いていなかったため、契約から数年後にトラブルに発展しました。契約当時の資料が手元にない中、第一生命に照会をかけたところ、営業履歴の確認や保険証券の再発行を通じて、最終的には保険会社と個別に対応が進められました。
このようなケースでは、まず契約内容を明確にしたうえで、納得できない点については丁寧に保険会社に相談する姿勢が重要です。
まとめ:焦らず冷静に契約内容の確認を
学資保険の契約内容に不明点や誤認があった場合でも、まずは証拠や情報を整理することで、保険会社と建設的に話を進められる可能性があります。営業担当者がいなくても対応は可能ですし、資料がなくても再確認できます。解約や変更に焦らず、必要に応じて第三者機関の力も借りながら、子どもの将来にとって最良の判断をしていきましょう。
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