長年使っていない銀行口座は「休眠口座」と呼ばれ、一定の期間が経過すると国に移管されることがあります。しかし、これは決して預金が失われるわけではありません。この記事では、休眠口座とは何か、国庫移管の仕組み、そして利用者が取るべき手続きについて詳しく解説します。
休眠口座とは何か?
休眠口座とは、最後の取引から10年以上が経過し、名義人との連絡が取れない銀行口座を指します。一般社団法人「預金保険機構」によって制度が管理されており、2019年からは「休眠預金活用法」により、社会貢献活動などに活用されています。
ただし、この制度は「預金が消える」ものではありません。名義人であれば、休眠後もいつでも払い戻し請求が可能です。
どうして休眠口座になるの?
休眠口座は以下のような場合に発生します:
- 最後の入出金や記帳から10年以上放置されている
- 銀行からの通知に応答がない
- 引越しなどで住所変更手続きがされていない
「給料用に一時使っていた」「学生時代に開設したまま」などの理由で、意図せず休眠化するケースが少なくありません。
預金は本当に国に没収されるの?
いいえ、没収ではありません。あくまで預金は「一時的に預金保険機構を通じて休眠預金等活用法に基づく管理下に移される」だけです。
名義人や相続人が正当な証明をもって申し出れば、いつでも払い戻しが可能です(ただし、銀行によっては店舗来店・本人確認書類の提出が必要)。
休眠口座の払い戻し手続き方法
口座のある銀行に対して、以下のものを持って窓口に行くのが一般的です:
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 通帳または口座番号がわかるもの
- 印鑑(登録印)
事前に銀行の公式サイトで「休眠預金の払い戻し」ページを確認することをおすすめします。
相続時や名義人死亡後の手続きは?
もし名義人が死亡している場合、相続人が請求可能です。その際は戸籍謄本や相続関係が証明できる書類が必要になります。
また、家族が「故人の口座が休眠になっていた」と気付いた場合でも、適切な手続きを踏めば払い戻しは十分可能です。
まとめ:休眠口座は「失効」ではない、預金は守られている
休眠口座は10年以上使われていない口座が対象となりますが、預金そのものは国に没収されるのではなく、名義人が申し出ればいつでも返金可能です。
通帳やキャッシュカードを確認し、放置口座がある方は早めに記帳や残高確認を行い、必要であれば払い戻しの相談をしておきましょう。
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