会社のストレスや将来への不安から「もう働き方を見直したい」と思う中高年の方は少なくありません。特に、ローンなし・子どもなしという環境なら、セミリタイアという選択肢も現実的に見えてきます。この記事では、資産3,000万円をもとに、夫婦ふたりが月15〜20万円の収入で暮らすセミリタイアプランを、現実的な視点で考察していきます。
セミリタイアとは何か?完全リタイアとの違い
まず押さえておきたいのは、セミリタイアとは「完全な無職」ではなく、生活費の一部を労働収入で補いながら、自由な時間を重視する生活スタイルのことです。完全リタイアが資産だけで生きていくのに対し、セミリタイアは「少しだけ働く」ことが前提となります。
月15〜20万円程度の収入があるなら、生活コストを抑えることで十分に成り立つ可能性があります。特に住宅ローンがなく、子どもがいない夫婦2人暮らしであれば、そのハードルはぐっと下がります。
生活費の目安:地方都市での支出モデル
地方都市に住むアラフィフ夫婦の平均的な月支出は次のようになります。
費目 | 月額 |
---|---|
食費 | 40,000円 |
光熱費 | 20,000円 |
通信費 | 10,000円 |
日用品・雑費 | 10,000円 |
自動車維持費 | 15,000円 |
保険 | 10,000円 |
娯楽・外食 | 15,000円 |
合計 | 120,000円 |
このように、地方なら家賃がない場合、月12万円前後で比較的快適な生活が可能です。
セミリタイア後の収入源の選択肢
セミリタイア後も月15〜20万円を稼ぐためには、次のような収入源を組み合わせるのが現実的です。
- 短時間のパート・アルバイト
- 在宅ワーク(ライティング・EC販売・クラウドソーシング)
- 年金受給(将来的に)
- 資産運用(配当・利子)
たとえば夫婦それぞれが週3〜4日、1日4時間程度のアルバイトで月8万円ずつ稼げば、合計16万円。これに運用益(月2万円程度)を足せば目標達成です。
資産3,000万円の運用と取り崩し方
生活費の一部を資産から取り崩す場合、注意したいのが取り崩しペースとインフレリスクです。1年間で60万円を取り崩すと仮定すると、50年間保ちます(単純計算)。
さらに運用を年3%で行えば、実質的に元本をほとんど減らさずに運用益で補填できる可能性もあります。インデックス投資などの分散投資を基本に、手堅い運用方針を心がけましょう。
精神的な不安を減らす3つの工夫
収入と支出の計画を立てることも大切ですが、精神的な安定も欠かせません。以下の3点を意識すると、不安を和らげられます。
- 退職前に1年間の生活予算をシミュレーション
- 収入源の「仮試行」:パートを週1で始めてみる
- 万が一の医療・介護の備えを確認
特に精神的に限界が近い場合、一度休職して距離を置くことで状況が客観的に見えることもあります。
まとめ:セミリタイアは無謀ではない、でも準備は不可欠
資産3,000万円・ローンなし・子どもなしという条件であれば、セミリタイアは決して無謀ではありません。ただし「なんとなく」で始めてしまうと不安ばかりが募ります。
まずは生活コストの把握と収入のシミュレーションを行い、小さく行動を始めてみることが成功の第一歩です。焦らず一歩ずつ、心と暮らしに余白をつくる人生設計を始めてみてはいかがでしょうか。
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