退職手続きを行わずに会社を飛び、次の職場に入社するというケースも、現代では少なからず耳にします。ただ、その際に「社会保険関連で前職がバレるのでは？」という不安を抱く方も多いのではないでしょうか。この記事では、社会保険や雇用保険の仕組みに基づき、何が会社に伝わるのか、どんなリスクがあるのかをわかりやすく解説します。
社会保険の仕組みと情報の流れ
社会保険（健康保険・厚生年金）は、会社が従業員を加入させる義務があり、退職すれば会社が資格喪失手続きを行うことになります。新しい会社に入社すれば、再び健康保険と厚生年金への加入手続きを行いますが、この手続きは基本的に市区町村や年金事務所などを通して行われます。
そのため、新しい会社が「あなたが前職を辞めたかどうか」を知るルートは原則として存在しません。ですが、以下のような例外もあります。
バレる可能性があるケースとは？
1. 雇用保険の被保険者番号
ハローワーク経由で雇用保険の資格取得届を提出する際に、前職の被保険者番号が必要となります。提出書類に前職の情報を記載する項目があるため、「空白期間がある」「退職日と入社日のつじつまが合わない」などがあると、会社側が疑問に思う場合があります。
2. 年金記録の確認
年金手帳やマイナンバーでの登録時に、過去の厚生年金の加入記録は年金事務所に紐づいています。ただし、会社側が勝手にその履歴を確認することはできません。
飛んだ場合に注意すべき法的・実務的リスク
前職で退職手続きを放置した場合、会社側が社会保険の脱退手続きをしないままの可能性もあります。この場合、自分で退職証明を取らない限り、新しい保険加入に支障が出る可能性があり、結果として加入時期が遅れたり二重加入になることも。
また、会社を飛んだことで「懲戒解雇扱い」にされるリスクもあり、ハローワークなどでの失業給付手続きや職歴証明が必要な場合に不利になるケースもあります。
本人が注意すべき対応と誠実な対応例
どうしても前職に戻りたくない、連絡を取りたくないという場合は、最寄りの年金事務所やハローワークに相談するのが有効です。資格喪失証明書が発行されていなくても、過去の加入履歴から手続きできる場合があります。
また、入社時の書類提出時に「前職を飛びました」と正直に伝える必要はありませんが、空白期間や被保険者番号の不備については、「諸事情により会社と連絡が取れず確認できません」といった説明が必要なケースもあります。
バレないようにするには？現実的なアドバイス
・保険証の切り替え前に医療機関を受診しない
・被保険者番号がわからない場合は、年金手帳やマイナポータルから履歴を確認
・雇用保険の資格喪失日や退職日をハローワークで補足してもらう
これらの点に気をつければ、バレるリスクは大きく低減できます。とはいえ、今後のキャリア形成のためにも、次の転職からはきちんとした退職手続きを行うのが最善です。
まとめ：社会保険で過去が完全に露見することは少ないが油断は禁物
会社を飛んだ過去があっても、社会保険手続き上で直接バレるケースは稀です。ただし、手続き上の不備が原因でトラブルになる可能性は否定できません。次の会社では円滑な入社と社会保険の適用を受けるためにも、自身で必要な証明書類の整備や、公的機関との相談を忘れずに行いましょう。
コメント