厚生年金から国民年金への切り替えでも安心:支払った年金は無駄にならない仕組みと将来の受給額への影響

年金

転職や退職で厚生年金から国民年金へ切り替わる場合、「今まで支払ってきた厚生年金はどうなるの?」という不安を持つ方も少なくありません。実際、将来の年金受給にどう影響するのか気になるところです。この記事では、厚生年金を支払ってきた実績がどのように年金額に反映されるのか、また転職後に備えるポイントを詳しく解説します。

厚生年金を支払った期間は将来の年金にしっかり反映される

厚生年金を支払った期間は、将来の「老齢厚生年金」としてきちんと加算されます。つまり、たとえ今後自営業や非正規雇用などで国民年金(基礎年金)のみになるとしても、過去に支払った厚生年金の分はそのまま年金額にプラスされるのです。

年金制度は「加入期間」と「収入額」に比例して年金額が決まるため、16年間の厚生年金加入歴があれば、その分の報酬比例部分(報酬比例年金)が受け取れます。

老齢基礎年金と老齢厚生年金の違い

日本の年金制度は「2階建て構造」とよく言われます。1階部分が老齢基礎年金(国民年金)で、2階部分が老齢厚生年金です。

  • 老齢基礎年金:国民全員が原則として加入。満額受給には480月(40年)必要。
  • 老齢厚生年金:会社員や公務員が対象で、加入期間と給与に応じて上乗せ。

したがって、厚生年金に加入していた期間は、将来この「2階部分」があることで年金総額が増えるということになります。

厚生年金加入の実績がある場合の実例

たとえば40歳で転職し、それまでに厚生年金に16年間加入していた人が、その後自営業に転身して国民年金に切り替えたとします。この場合、60歳以降に受け取れる年金は以下のようになります。

  • 老齢基礎年金:自営業に転身しても継続して保険料を支払えば、国民年金として計算。
  • 老齢厚生年金:40歳までの厚生年金の記録が基礎となって計算・支給される。

つまり、どちらの制度にもきちんと加入していれば、どちらの年金も受け取れるということです。

年金記録の管理が重要

厚生年金と国民年金の記録は、すべて一元的に日本年金機構で管理されています。しかし、まれに勤務先の手続きミスで記録漏れが起きることもあるため、ねんきんネットなどで定期的に確認しておくことが重要です。

特に転職や退職時は、「資格喪失届」や「国民年金の種別変更届」が適切に処理されているかの確認も大切です。

今後の年金受給額をシミュレーションする方法

将来受け取れる年金額の目安を知りたい場合、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を活用しましょう。最新の加入記録と見込額を確認でき、今後の資金計画の参考になります。

また、国民年金基金やiDeCo(個人型確定拠出年金)を利用すれば、自営業やフリーランスでも老後資金を補うことが可能です。

まとめ:厚生年金の記録は確実に将来の年金に加算される

厚生年金を16年間支払ってきた実績は、転職して国民年金のみに切り替わった場合でも、将来の年金受給額にしっかり反映されます。過去の支払いが無駄になることはありませんので安心してください。

転職後も記録管理を丁寧に行い、必要に応じて老後資金を補う仕組み(iDeCoや年金基金)を組み合わせることで、将来の不安を軽減できます。

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