健康保険の制度には主に「会社員が加入する健康保険」と「自営業やフリーランスが加入する国民健康保険」の2種類があります。同じ医療制度でも、保険料の負担額や仕組みが大きく異なります。この記事では、両者の保険料の違いや仕組みをわかりやすく解説します。
会社員が加入する健康保険とは?
会社員の場合、健康保険料は労使折半となっており、保険料の半分を会社が負担してくれます。また、保険組合によっては独自の給付制度があり、出産手当金や傷病手当金などが充実しているのも特徴です。
例えば月収30万円の人であれば、健康保険料はおおよそ27,000円前後になりますが、そのうちの約13,500円は会社が負担します。
国民健康保険の仕組みと自己負担
一方、国民健康保険は全額自己負担です。市区町村が運営しており、所得割・均等割・平等割など、さまざまな要素で保険料が決まります。特に世帯人数が多い場合や、前年の所得が高い場合は大きな負担になります。
同じように月収30万円相当の収入がある人が国民健康保険に加入すると、保険料は年間30万円〜40万円前後(月換算で25,000〜33,000円)となるケースもあります。
具体的な保険料の比較例
以下は東京都内在住の30歳・独身・年収360万円のケースでの一例です。
加入保険 | 年間保険料 | 月額換算 |
---|---|---|
会社員(協会けんぽ) | 約32万円(会社と折半) | 約13,000〜14,000円(本人負担) |
国民健康保険 | 約35〜42万円 | 約30,000〜35,000円(全額負担) |
このように、同じ収入でも毎月1万5千円〜2万円ほどの差が生まれることがあります。
なぜ国保は高く感じるのか
理由の一つは「会社負担がない」ことに加え、国民健康保険には「扶養の概念がない」ため、扶養家族がいても保険料が増えることです。例えば、配偶者や子どもがいると、その人数分だけ保険料が加算されます。
これに対して、会社の健康保険では扶養に入れても保険料は原則変わりません。家族が多い世帯では、この差が大きくなります。
自分に合った制度を選ぶために
会社員でいられるのであれば、社会保険に加入する方が圧倒的にお得です。ただし、転職中やフリーランスとして独立した場合などは国民健康保険しか選べないため、協会けんぽや各自治体のシミュレーションツールを活用して保険料の確認をしておきましょう。
また、所得が低い場合は国民健康保険の減免措置が受けられる場合もあります。手続き次第で大きな節約につながるので、早めの確認が肝心です。
まとめ:会社員の健康保険は負担が軽い仕組み
会社員の健康保険は保険料が労使折半であるため、同じ収入でも国保より月1〜2万円ほど負担が軽いことが多くなります。扶養の扱いや手当の充実も考慮すると、非常にメリットの大きい制度です。
一方で、国民健康保険は自己負担が重いため、減免制度や住民税との兼ね合いなども含めて、賢く制度を選ぶことが重要です。
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