ボーナスをもらったはずなのに、手取り額を見ると「あれ?少ない」と感じたことはありませんか?その理由のひとつが、厚生年金や健康保険などの社会保険料がボーナスからも引かれる仕組みにあります。本記事では、「なぜボーナスにも保険料がかかるのか?」をわかりやすく解説します。
ボーナスも「給与」の一部として扱われる
厚生年金や健康保険は、基本給だけでなく、賞与(ボーナス)にも適用されるようになっています。これは、労働者の収入全体を基にして保険料を計算し、万が一のときの保障を公平に行き渡らせるためです。
たとえば、ボーナスが年間で100万円ある人と、ボーナスがない人では、年収の差は大きくなります。これを反映しないと、後に受け取れる年金額や医療保障に不公平が生じます。
賞与に対する社会保険料の仕組み
厚生年金や健康保険料は、賞与の支給額に応じて「賞与支払届」に基づき計算され、会社が自動で控除し、納付しています。
控除される保険料の主な種類は以下の通りです。
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 介護保険料(40歳以上の場合)
- 雇用保険料
- 所得税(住民税は通常含まれない)
「どうせもらえない年金」に払う意味はあるのか?
「どうせもらえない」「将来に不安がある」と感じる方も少なくありませんが、厚生年金には将来の老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金などの保障も含まれています。
たとえば、現役世代でも事故や病気で働けなくなった場合、障害基礎年金+障害厚生年金を受け取ることができます。また、万が一のときに遺族年金として家族を支える役割もあるのです。
健康保険料も「保険」だからこその意味がある
健康保険料は、日々の医療費を3割負担にしてくれたり、高額療養費制度が使えたりと、実は見えにくいところで家計を支えています。
たとえば、手術や入院で100万円以上の医療費がかかった場合でも、実際の自己負担額は10万円以下になるケースもあります。これは健康保険料を払っているからこその恩恵です。
ボーナスから控除されない方法はある?
基本的には法令に基づいて控除されるため、回避することはできません。ただし、以下のようなケースでは適用外になることもあります。
- 退職金など社会保険料対象外の一時金
- 役員報酬(一定要件で賞与扱いでないもの)
一般の会社員が受け取る「通常のボーナス」は、基本的に控除対象です。
まとめ:将来のリスクに備えるための制度と理解しよう
ボーナスから厚生年金や健康保険料が引かれるのは、「収入に応じて保障を充実させる」制度の設計に基づくものです。
「取られるだけ」と感じがちですが、実は将来の自分や家族を守るための保険料でもあります。制度の仕組みを知ることで、不満ではなく「備え」として理解できるようになるかもしれません。
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